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早慶で「サークルに青春を捧げた男」驚きの20年後 早稲田実業中退→大検→経産省の官僚、そして・・・

東洋経済オンライン / 2024年9月11日 13時0分

経産省の仕事は代えがたい仕事だと思いましたし、上司に退職の意志を伝えたときはとどまるように説得されて、心が揺らぎました。それでも精神的に限界に達していたし、今後のキャリアを考えて入省して1年で退職をしました」

希望して入った職場だったが、思い描いた経産省官僚の仕事はできなかったと遠くを見た。

イベサーを通じて学んだ大事なこと

経産省退職後は、弁護士として法律事務所に4年勤務。その後、友人と共に弁護士事務所を設立し、現在は弁護士事務所と投資ファンドの投資先の会社の役員および上場企業の社外役員として数カ所で働いている。

弁護士になった後も変わらず多忙だが、自分主導で仕事がすすめられるので苦ではないという。

改めて、今までの経歴から現在の仕事をするうえで生かせたことはあるか聞いた。

「イベサーの活動を通して50人、100人規模の組織を動かす経験が学生時代に経験できたことは大きかったと思います。たくさんの人がいる中で、組織として今どんな問題点があるのか。誰にどう声を掛けたらスムーズに進むのかといったことを、当時から客観的に見て分析していました。

たとえばリーダーの立場に立つと、自分が指示を出しているのに人が動かない。または、いちメンバーの立場になると頑張ったところで自分にリターンが来ない。モチベーションが上がらないなど、それぞれの立場で考えがあります。一つの方法として、もっとメンバーに権限を与えて仕事にコミットするように促すとか、参加者意識をもたせること。

コミュニケーションをとりながら、自分がそこにいることが楽しくなるような気持ちにしていくと、組織としてもいい方向に進むことも学びました。こうした経験は今の仕事を進めるうえでも役立っていると思います」

人生は「その後の行動次第」

また、今までの人生を振り返ると、高校中退、大学院中退、経産省退職など、その時々で学校や職場、進路を変更しながら今にいたる。自分の決断に対して思うことを聞くと、

「当時は高校中退することに迷いはなかったのですが、少し時間が経ってから、意外と早稲田という名前にアイデンティティをもっていたことは自覚しました。

また、大検を取得して浪人生活をしていたときは、先に同じ年の友達が大学生になったことで、コンプレックスも感じました。経産省を辞めたときも迷いはなかったのですが、代えがたい仕事を辞めたと今でも多少は振り返ることもあります。

でも……、無理して合わないことを続ける必要はないですし、違和感がある状態で長い間、貴重な時間を使うなら、早く自分がやりたいことをやったほうがいい。自分の人生はその後の行動次第だろうと思うんです。

また、学校や経産省を辞めるときも、次のプランを考えたうえで辞めています。高校中退する時点で大学受験を、早稲田の大学院を辞めたときは東大の大学院を、経産省を辞めたときは弁護士と、その時々で先を考えて、自分の信じる道を進んできた結果が今につながっていると思います。

仮に何かを辞めて失敗だと感じたとしても、また違ったプランで頑張れたらいいなと思うんです。私は学校中退や経産省も退職をしていますが、その後納得のいかない生き方や働き方をしていたら後悔していたかもしれませんが、自分が納得するような道を進めているので後悔もなく、今は充実しています」

清々しい笑顔を浮かべる依田さんの生き方から、私たちが学べることは少なくない。

松永 怜:ライター

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