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「電話恐怖症」の背後にある"社交的不安"の正体 2015年頃から顕著になった「会社をやめる理由」

東洋経済オンライン / 2024年9月13日 7時0分

不安の内容は「質問にどう対処すればいいかわからない不安」が33%、「電話でフリーズすることへの不安」が15%、「相手が否定的に考えるかもしれない」が9%などです。

またこの調査では、ミレニアル世代(1981年〜1996年生まれ)がもっとも電話不安が高く、76%が電話の着信音を聞いたとき、不安になると答えています。同じ質問を団塊世代(1947年〜1949年生まれ)に聞くと40%ですから、電話に不安を感じるのは、若い世代では団塊世代の倍近くになることがわかります。 

また2023年にBBC Science Focusで公開された記事によると、22歳から37歳を対象にしたアメリカの調査では、約8割が電話で話すことに不安を感じています。

興味深いことにZ世代(1990年代半ば〜2010年代初めごろの生まれ)になると、電話を無視する傾向が強くなります。そのためこの世代を「ミュート世代」と呼ぶこともあるそうです。

同様に、韓国の研究団体エンブレインが2022年に行った調査では、電話をかける前に精神的なプレッシャーを感じている人は、20代がもっとも高く43.6%、ついで30代36.4%、40代は29.2%、50代はわずか19.6%でした。 韓国のイム・ミョンホ心理学教授は、若者たちの間で、電話恐怖症として知られる電話不安がますます強まっていると語っています。

このように電話恐怖症が社会問題化しているのは、日本だけでなく、世界各国共通の問題のようです。インターネットを中心にしたコミュニケーションの変化が、電話恐怖症という現象につながっているのかもしれません。

「電話恐怖症」とは何か

「電話恐怖症(テレフォビア)」という正式な病名はまだありません。病名ではなく、状態とか傾向と理解していただければいいでしょう。

ではその状態はどういうものかというと、電話に出ることやかけることに嫌悪感や不安感があり、心身に症状があらわれるものをいいます。

身体症状としては、手に汗をかいたり、動悸や息切れが激しくなったり、吐き気がする、口が乾く、震えが出るなどがあります。心理的な症状では、不安になったり、焦り、恐怖心がつのったりするといったことがあげられます。

それが病的であるかどうかは、社会生活がスムーズに行えるかどうかで判断します。

それこそ会社をやめなければならないとか、家から出られないほどのものだと、病的な部類に入ると思います。

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