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よかれと思ってやっている「部下の育て方」の盲点 「面倒を見すぎて独り立ちできない」問題を解決

東洋経済オンライン / 2024年9月13日 15時30分

「口を出さない」という行為を徹底するためには、上の人間の胆力が必須条件です(写真:jessie/PIXTA)

現代人が1日に浴びる情報量は、おおよそ江戸時代の1年分、平安時代の一生分といわれています。

情報が増えすぎたことで、必要な情報にたどりつけない、ニセ情報に騙される、そんな事態が容易に生じうる時代だからこそ、私たちが今、真剣に考えるべきことは、「いかに情報を得るか」ではなく、「いかに情報を捨てるか」ではないでしょうか──。

トヨタ、TBS、アクセンチュア出身の戦略コンサルタントで、データサイエンティストでもある山本大平氏の新著『消耗せずに成果が出る「情報の捨て方」』より、私たちを消耗させる99%の情報を捨て、その先の1%に集中するコツを紹介します。

面倒見のいい上司は、いい上司か

あなたが上司、あるいは先輩である場合、「部下のミスを防ぐために細かく指導するのは当然だ」――そう考えてはいませんか?

昨今は、細かく丁寧な指示を出し、部下を管理してあげることが「面倒見のいい上司」とされる風潮があります。しかし、そのようなマイクロマネジメントは本当に必要でしょうか?

たとえば、部下が担当するプロジェクトの進捗や問題点をすべて把握しようとする。そして部下は、意思決定のたびに、上司である自分に確認を求めるようにする。そのうち、あなたは部下が送ったメールの1通1通に目を通すようになる……。

それでは、自分が処理しなければならない情報も増え、自身の業務にも支障をきたしてしまいます。

「いや、部下に失敗させたら、会社に損害を与えてしまう」。そう思うかもしれませんが、実際にはそうでもありません。

私はこれまで数多くの企業のコンサルをさせていただきましたが、99%の失敗は、実はあとからリカバリーできるものばかりです。

「顧客に提出するプレゼンテーション資料に重大な誤りがあった」「新製品のプロモーションの際、誤った価格情報を含むメールを大量の顧客に送ってしまった」「プロジェクト管理において、部下が締め切りを勘違いしてしまい、重要な資料が遅れて提出された」……。

想像するだけでゾッとする方もいるかもしれませんが、よくよく考えてみてください。これらも、すべてリカバリーできるものではありませんか?

私は現在、従業員を抱える経営者であり、1人の経営コンサルタントでもありますが、従業員の業務の進捗や詳細なメールは、よほどのことがない限り確認しません。

もちろん、ときにはそのスタイルで客先と大きなトラブルが生じることもあります。また、従業員が重大なミスを犯し、クライアントに大きなご迷惑をかけてしまうこともありました。そのようなときには私もリカバリーに追われることもありますが、これまでにリカバリーできなかった従業員の失敗は一度としてありません。

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