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ヨーカドー「大量閉店」で晒された本質的な"弱点" 食品中心の店舗でも透ける「消費者の見えてなさ」

東洋経済オンライン / 2024年9月13日 22時0分

ヨーカドー側も、食品スーパーとしてここを生まれ変わらせる意識があったのだ。

しかし、それ以上に筆者の目を引いたのは、このコーナーだ。

中華食材である。調味料をはじめ、長い棚にぎっしり並ぶ。

唐辛子や甜麺醤をはじめ、日本ではなかなか見ない調味料も並んでいる。その横には、中国語・韓国語併記の看板もある。

歓楽街からチャイナタウンになった西川口

どうして、ここまで中華食材が揃うのか。それは、西川口という街の特性にある。ここには、都内近郊でも有数のチャイナタウンが広がっているのだ。

元々、西川口は歓楽街として知られていた。その店の中には違法風俗もあったため、2000年代前半に警察による浄化作戦が行われ、その結果、空いた物件に中国人などが住むようになる。今では駅西口は、日本語の看板を見るほうが少ないエリアになった。

……というわけで、このチャイナタウンからほど近いイトーヨーカドーは、その中国系住民たちのニーズを当てこみ、中華食材を揃えている。

ヨーカドーは、地域に即した食品ラインナップをそれぞれの店で揃えていくというが、まさにその方向に合致した戦略だ。

その中華食材、ホントに必要ですか?

しかし、気になるのは、その中華食材、あまり売れていない感じがすること。ほとんどの商品が棚にぎっしりと詰まっている。また、逆に品切れのものもあり、あまり頻繁に入荷していないのかな? とも思わされる。

そう思って、外のチャイナタウンを歩いてみると、気づいた。そりゃ、そうだ……と。だって、チャイナ「タウン」なのだ。ガチの中国食料品店が、わんさかある。

試しに、そのうちの一軒に入ってみた。

中をみると、本当に中国のどこかの市場に迷い込んだかのようである。あの、独特のなんともいえない生臭さが鼻を突くドリアンはじめ、謎の果物や肉、魚が冷蔵什器にぎっしりと詰められている。

調味料もそうだ。何に使うのかもわからなければ、そもそも、ほとんど漢字が読めない。唯一店内で読めたのは「皮蛋(ピータン)」かもしれない。商品の姿からわかっただけなのだけれど。

また、これらは値段もリーズナブルで、四合瓶サイズの調味料が300円ぐらいなのに驚いた。

であれば、現地の人だったら、だいたいこちらの中華食品店を使うだろう。

その意味で、イトーヨーカドーの品揃えは、「チャイナタウンがあるから中国食材を!」という思考のみで置かれていて、実のところあまり機能していないのではないか。本当にその中華食材は必要なのか? むしろ、それによって、日本人向けの必要な商品の棚が圧迫されてはいまいか?

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