ホンダ新「フリード」人気の秘訣は日本仕様の追求 販売好調、本質を変えないことが売れる理由
東洋経済オンライン / 2024年9月14日 9時30分
たとえばLKAS稼働時、前方のカーブ曲率は車載の光学式カメラで読み取るわけだが、認識したカーブ曲率をトレースする制御が非常に細かい。あたかもベテランドライバーが操舵するように手前からじんわりとステアリング操舵アシストを開始するし、戻す際も遅れがない。だから結果的にいつシステムによる操舵アシストが介入し、そして弱まったのか意識することがないのでドライバーとしてもシステムに対する過信を抱きにくい。
こうした細やかな制御は自動化レベル3技術を有する「Honda SENSING Elite」(2021年「レジェンド」に世界初搭載)を開発する段階で得られた知見から誕生したというが、フリードをはじめ、この先のホンダ各車にも導入されるという。いずれにしろシステムへの信頼感は大きく向上した。
試乗モデルの燃費数値はカタログ値(WLTC値の総合)で21.3km/L。数値そのものでは競合他車がこれを上まわる部分もあるが、フリードは実用燃費数値が良好だ。筆者のテストでは18~19㎞/L台を記録した。残念ながら試乗はできなかったが、フリードにはガソリンモデルとして直列4気筒1.5L(118PS/14.5kgf・m)がある。トランスミッションはCVTでe:HEV同様にFFと4WDをラインナップする。
日本にベストマッチなサイズ感とラインナップは健在
フリードの車両価格は250万8000円~343万7500円。昨今のホンダ車は、どれも競合他車と比べると車両価格が高めだが、じつは装備を合わせて比較してみると横並びであることがわかる。
フリードは5~7人乗りサイズのミニバンで、全長4310㎜、全幅1695~1720㎜、全高1755~1780㎜と短い全長とせまめな全幅で、使い勝手や取りまわしの良さを実現しつつ、全高を高くすることで室内の容積を稼いだ。3列目シートの居住性はボディ全長なりだが、2列シート仕様を含めてシートアレンジが豊富だ。
日本の道路環境にベストなボディサイズであること。ハイブリッド/ガソリンの両方で駆動方式を選べること。福祉車両扱いとなる「スロープ」モデルをラインナップする。3代目も2代目同様にユーザーから長きにわたって支持されるだろう。
西村 直人:交通コメンテーター
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