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誰がなぜ?北陸新幹線「米原ルート」再燃の震源地 小浜・京都ルート2025年度末着工は課題山積

東洋経済オンライン / 2024年9月16日 7時0分

敦賀―新大阪間の整備が課題となっている北陸新幹線(編集部撮影)

北陸新幹線の金沢―敦賀間が3月に開業し、東京―敦賀間が約3時間で結ばれるようになった。残る敦賀―新大阪間については与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)に設けられた北陸新幹線敦賀・大阪間整備検討委員会が2016年12月に福井県小浜市付近を経由して京都、大阪に至る小浜・京都ルートを決定した。2025年度の着工が目標だ。

【写真】北陸新幹線の現在の終点、敦賀駅。大阪方面へは在来線への乗り換えが必要だ

すでに計画が動き出しているにもかかわらず、「米原ルートで敦賀と新大阪を結ぶべきだ」という声が日増しに高まっている。

米原ルートとは、敦賀からJR北陸本線沿いに南下し東海道新幹線の米原に接続するルートだが、ルートをめぐる議論の過程で退けられた過去のルートだ。なぜ今になって米原ルートを待望する声が出るのか。その理由を掘り下げてみた。

敦賀から先「3つの当初案」

敦賀―新大阪間のルートについては当初3案が考えられていた。小浜から京都府亀岡市を経由して一直線に大阪を目指す若狭ルート、琵琶湖西岸経由で京都市に至る湖西ルート、そして米原ルートである。

若狭ルートは1973年に策定された整備計画に明記された“公式ルート”。福井県は小浜市、若狭町など嶺南エリアの観光・産業振興の起爆剤になると考えて若狭ルートを推していた。だが、3案中で建設距離が最も長く、費用も割高となる。京都市などの大都市を通らないため経済効果も小さく、支持は得られなかった。

米原ルートは3案中で建設距離が最も短く、建設費が割安で工期も短い。だが、米原で東海道新幹線に乗り換える必要がある。乗り換え時間を考慮すると、敦賀―新大阪間の所要時間が3案中で最も長くなる。

関西の県や政令市で構成される関西広域連合は割安なコストや建設期間の短さを理由に米原ルートを推していた。米原ルートの沿線自治体である滋賀県は建設費用の負担を理由に反対していたが、その後、費用負担を関西全体で解決するなどの条件付きで賛成に転じた。

湖西ルートではフル規格で建設する案のほか、新幹線と在来線の両方を走行できるフリーゲージトレイン(FGT)をJR湖西線に走らせるという案もあった。当時、JR西日本の経営陣は「北陸と大阪をまずFGTで結び、その後1日も早くフル規格でつなげたい」と説明していた。

ただ、2014年に鉄道建設・運輸施設整備支援機構(JRTT)が行っていたFGTの耐久走行試験中に不具合が見つかり安全性が疑問視されたことで、FGT導入案は立ち消えとなった。

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