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ワールドカップに万博「2030年代」に存在感増す国 2019年に海外からの観光解禁、年間1.5億人目標

東洋経済オンライン / 2024年9月17日 18時0分

サウジアラビアの首都・リヤドの夜景(写真:iStock / Getty Images Plus)

イスラエル軍の攻撃でガザではパレスチナ人の死者が4万人を超え、イスラエルとイラン、ヒズボラの間では報復合戦が続いています。

中東はたしかに戦争のイメージが強い一方で、イスラエルは世界をリードするハイテクの国、サウジアラビアは豊富なオイルマネーを基に、人類の未来を拓く壮大な構想を描いています。

日本人が知らない中東の今を3回にわたって紹介します。

(本稿は『中東危機がわかれば世界がわかる』から一部を抜粋・再構成したものです)

若きムハンマド皇太子が治める親日国

皆さん、サウジアラビアにどのようなイメージをお持ちでしょうか。

サウジアラビアは日本の原油輸入先の第1位。日本人の生活の安定にとって最も重要な国と言っても過言ではありません。それほど重要な国ですが、砂漠の王国、石油が出る国だけのイメージで止まっているとしたら大きな間違いです。

近年のサウジアラビアでは、若きムハンマド・ビン・サルマン皇太子(39歳)が国の事実上の権力者となって、大きな変革期にあります。2018年まで女性の自動車運転は禁止でしたが、それも今では自由に行われています。また、2019年には日本を含む世界49カ国に対して、観光ビザの発給を開始しました。同国が当初設定した観光客の目標は2030年までに1億人でした。しかし、7年も前倒しして、2023年に達成しました。現在は、2030年までに1億5000万人という目標を打ち出したのです。

私は、現在、ビジネスコンサルタントとして、毎月、サウジアラビアに出張していますが、その発展には目を見張るものがあります。

外務省勤務時代、私は、天皇陛下、総理大臣のアラビア語通訳として、日本とサウジアラビアの外交の最前線で、橋渡しをしてきました。

思い出に残るのが、2007年に、安倍晋三総理(当時)がサウジアラビアを訪問し、当時のアブドッラー国王(2015年逝去、現在はサルマン国王ですが、息子のムハンマド皇太子が実権を握っています)との首脳会談での通訳を務めたことです。

その前年の2006年4月、故スルターン皇太子(副首相、国防・航空相兼総監察官)が日本を訪問し、小泉純一郎総理(当時)とともに、「日本・サウジアラビア王国間の戦略的・重層的パートナーシップ構築に向けた共同声明」を発表しました。これを受けて安倍総理がサウジアラビアを訪れ、この相互訪問によって両国間の歴史は新しい時代の幕を開け、政治、経済、文化、科学のすべての分野で「戦略的・重層的パートナーシップの発展」を目指すことになりました。

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