リピート率9割、「濃すぎる鉄道ツアー」の舞台裏 クラブツーリズム「鉄道部」キーパーソンを直撃
東洋経済オンライン / 2024年9月17日 7時0分
お食事 朝:☓ 昼:☓ 夕:☓
見てもちっともわからない。私がわかったことは、食事が出ないということだけ。貨物線についての知識はまったくないし、通常の路線図に貨物線は載っていないので、途中でどこを通るのか、理解できなかった。これを読み解けるくらいでないと、このツアーへの参加資格はないのかも、と不安になる。
とはいえ、185系は個人的に大好きな車両で、再び乗ることができるのはうれしい。夜行列車が好きで、列車にはなるべく長く乗っていたい私だが、果たして昼間の約8時間半の貨物線旅は楽しめるのだろうか。
この日乗車したのは約190名。もちろん満席だ。列車は6両編成で、私の座席は6号車にあった。先頭の1号車〜5号車は一般販売の席。6号車のみ「学研」の貸し切り車両で、「走る探求移動教室」として子どもたちと保護者が乗車していた。どうやら夏休みの自由研究のようなことらしい。
東北貨物線へ進入
9時37分、185系は静かに大宮駅を出発した。
「列車はまず、東北本線を通り東北貨物線へと入ります」
クラブツーリズム鉄道部の大塚さんの車内アナウンスが始まった。
「王子を過ぎてから田端近く、普段は左手に見える新幹線車庫が、このツアーですと右手に見えます」
「おおー!」と言いながら、子どもたちが右側の窓に顔を近づける。なるほど、子どもたちも鉄道に興味のある子たちばかりのようだ。
そして田端信号場で7分ほど停車、のち金町駅に向けて出発……の予定が、常磐線内で事故があり、その先に進めなくなってしまった。
いきなり予定変更である。心配をよそに、クラブツーリズムの方は「以前もこういうことがありましたから」と落ち着いている。
窓の外を見ると、赤と緑の旗を持っている方が待機していた。ここは貨物線の信号機がないそうで、手旗信号で合図するそうだ。もしかしたら大変めずらしい光景を見ているのかもしれない。
この間を埋めるかのように、再び大塚さんの車内アナウンスが始まる。
「私は北千住出身で、ヨン・サン・トオに生まれ(1968年10月)、常磐線、東武線、京成線を眺め育ちました。鉄道が好きで、いつも見に行っていましたが、閉まるのを見たことがない踏切があり、気になっていました。そして後に、ここが貨物線の線路だと知りました」
幼少の頃から貨物線に興味を持って育ったそう。まさに筋金入りだ。
結局、1時間半以上経って、ようやく列車が動きだした。これだけの遅延を巻き返せるのだろうか。通過駅では、撮り鉄の方を多く見かけた。やはり185系は人気がある。
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