リピート率9割、「濃すぎる鉄道ツアー」の舞台裏 クラブツーリズム「鉄道部」キーパーソンを直撃
東洋経済オンライン / 2024年9月17日 7時0分
次の金町駅では40分ほど停車する予定だったが、一瞬停まってすぐ折り返し、出発。こうやって先程ロスした時間を稼いでいくらしい。ここからは新金貨物線に入り、新小岩信号場へ。
運転区が変わるので、線路ぎわに交代する運転士、車掌らが待機していた。これもレアな光景だろう。
フル回転するエンジン音がたまらない
外房線の誉田駅では唯一の扉開放、つまり列車を降りてホームに出ることができた。本来、約30分の停車予定だったが、先程の遅延を巻き返すため、5分でこちらも折り返した。
走っている間、6号車では子どもたちに向けて、大塚さんの「夢を仕事に」という講義が始まった。クイズ大会、昼食(駅弁)と続き、その次は、元名鉄運転士で鉄道ユーチューバー、起業家として活動されている西上いつきさんの「キャリア設計」についてのお話。子どもたちはみんな熱心に話を聞き、質問をしていた。
一方列車は京葉線を走り、南船橋駅から猛スピードで武蔵野線を回り、西国分寺駅あたりで本来の予定時刻に追いついた。すごい巻き返しである。フル回転するエンジン音も、マニアにはたまらない。
新鶴見信号場へ向かう途中の生田トンネルは、長さが約10.3kmもあり、JR東日本管内では2番目に長いトンネルだそうだ。しかしここは貨物線なので、滅多なことでは一般客は通ることができない。こういうレア感はいい。
大船駅付近では、サフィール踊り子とすれ違った。新旧の特急踊り子号が再び出会い、個人的にも胸熱だった。
横須賀駅で折り返し運転、あとは終点の品川に向かうだけとなった。最後は1車両ごとに景品を賭けた大塚さんとのじゃんけん大会を開催。8時間半は意外にもあっという間に過ぎた。
「クラブツーリズム鉄道部」の中心人物で、貨物線を始め、さまざまなツアーの仕掛け人である大塚雅士さんに話を聞いた。
――今までどのくらいの数、ツアーを行いましたか。
「この7年間で270コース、2万1000人のお客様にご参加いただきました。それ以前は『寝台特急あけぼの』のラストランの団体専用枠をもらってツアーを行ったりしていましたが、すべて自分たちで企画したのは、7年前の貨物線ツアーからです」
――当時から、貨物線ツアーは売れると思っていましたか。
「売れる自信はありましたが、最初は企画が通らず苦労しました。JRの担当者と何度も交渉を続け、ようやく実現することができました。いざ販売を始めると、予想以上の反響で、その日の晩には満席になりました。そのうえ、何百人ものキャンセル待ちが発生したんです。最初は信じられませんでした」
この記事に関連するニュース
-
JR東日本「最後の国鉄型特急」マニアックすぎるルートで運行へ 回送線や貨物線をめぐる
乗りものニュース / 2024年9月15日 10時42分
-
ルートは往復で別!「東海道線を駆け抜けた往年の列車」品川‐小田原を再び 車内販売も
乗りものニュース / 2024年9月9日 15時42分
-
電車かと思ったら「売店」じゃないか 全国“車両型”の鉄道施設が振り切ってる! なぜその車両が?
乗りものニュース / 2024年9月6日 8時42分
-
仙台の「路線図に無い区間」を走る列車が運行へ 使用車両は「激変したキハ110系」
乗りものニュース / 2024年8月21日 8時42分
-
在来線で上野から盛岡まで直通! “超ロングラン列車”が運行へ レアなハイグレード車両
乗りものニュース / 2024年8月19日 14時42分
ランキング
-
1アップルウォッチに「睡眠時無呼吸症候群」の検知機能搭載、今月から利用可能に…エアポッズに補聴器機能も
読売新聞 / 2024年9月16日 14時55分
-
2伊外相、中国製EV追加関税支持 中国商務相との会談控え
ロイター / 2024年9月16日 20時11分
-
3"悪口"が大問題に発展「キャリア喪失」の「まさか」 チャットや飲み会 愚痴は誰にでもあるが…
東洋経済オンライン / 2024年9月17日 8時0分
-
4初転職は「社会人3年目」 ITエンジニアが抱える不安、企業はどう解消すべきか?
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月17日 7時45分
-
5首都高イチ「初見殺しのJCT」これで解決!? “予想外の分岐”カラフル化で分かりやすく!
乗りものニュース / 2024年9月16日 16時42分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください