リピート率9割、「濃すぎる鉄道ツアー」の舞台裏 クラブツーリズム「鉄道部」キーパーソンを直撃
東洋経済オンライン / 2024年9月17日 7時0分
――個性的なツアーは、どのようにして考えているのでしょうか。
「鉄道ツアーが売れる要素は次の3つだと思っています。
1・ありえない路線に乗る
2・引退しそうな車両に乗る
3・往年の走りを復活させる
これらがそろうと、かなりのヒット商品になります」
――Xでしか宣伝しないのはなぜですか。
「好きな人だけ来てくれればいい、と思っているからです。そのやり方で、リピート率は90%。ツアーに参加してもらったみなさんだけに、次の予定を先出しする。参加者にアンケートを取り、希望の路線を反映させたりもしています。以前も『馬橋支線を通ってほしい』という意見があり、実現させました」
Xでの「クラブツーリズム鉄道部」の現在のフォロワー数は2万9000人ほど(2024年7月30日現在)。フォロー返しは一切しないスタンス。実際、この185系貨物線ツアー翌日に売り出された大阪での貨物線ツアーは、発売後2日でほぼ満席になった。
「これは数々の貨物線ツアーの成功を聞いた、JR貨物関西支社の方から大阪の貨物線ツアーの打診があり、実現しました。最近は鉄道会社から企画を持ちかけられることも増えています」
――リピーターの方の中には、大塚さんのファンも多く見受けられました。
「今日初めて売った私の名前入りタオルは完売しました。これからは物販にも力を入れていきたい。また、大学でも『いかにツアーを成功させるか』という内容の講義をしています。毎年必ず1人はクラブツーリズムに就職してくれます。5年先、10年先の新しい波に乗れるよう、柔軟性を持ってつねにアンテナを張っていきたいです」
日常では絶対体験できないツアー
「貨物線ツアーの魅力は、普段絶対体験できない路線や、いつもと違う車両での走行など、日常とは一線を画したところ」と、50回以上鉄道部ツアーに参加する常連のニナタさんは言う。
子どもたちからも「大宮—品川間を8時間半かけて行くところがすごい」、「乗りたかったイッパーゴ(185系)に乗れてうれしい」など、大人の鉄道マニアに負けず劣らずの意見が出ていた。今回行われた子どもたちに向けての講義も、長い目で見て、将来、大塚さんのような存在を育てるために必要なのかもしれない。
大塚さんの「熱」はツアーに参加した人に確実に伝わっている。マニアでなくとも思いのほか楽しかった貨物線ツアーを反芻しながら、私はXの「クラブツーリズム鉄道部」のフォローボタンをそっと押した。
YASCORN(やすこーん):漫画家
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「至福」のレストラン列車 シンガポールとの異色コラボの狙いとは…
47NEWS / 2025年1月10日 11時0分
-
万博や合併だけじゃない 2025年の鉄道は何が起こる? 今までの“当たり前”が変わる「昭和100年」
乗りものニュース / 2025年1月1日 7時12分
-
「常磐線特急コーヒー」JR東日本水戸支社とサザコーヒーが連携し店舗や駅売店に加えて特急「ひたち」でも販売 両者の想い結実
食品新聞 / 2024年12月21日 11時27分
-
JR西日本の特急車両が「スゴすぎる珍ルート」で運転へ “新大阪発、新大阪行き” 今月に1日限定
乗りものニュース / 2024年12月21日 10時42分
-
JR東北本線「福島‐仙台」を引退すすむ三セク車両が走る! 運行会社「またとない機会です」
乗りものニュース / 2024年12月17日 15時42分
ランキング
-
11時間半の山越えバスが“タダ”!? 岐阜山間部の2大都市を結ぶ無料シャトルバス運行
乗りものニュース / 2025年1月15日 14時12分
-
2裏切られた気持ちでいっぱいです…月収25万円・65歳サラリーマン、毎年「ねんきん定期便」を必ずチェック、年金月19万円のはずが「初めての年金振込日」に知った衝撃事実に撃沈
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2025年1月15日 8時15分
-
3悪質なデータ復旧事業者「レスキュー商法」の手口 多発する「納得できない作業結果と費用請求」
東洋経済オンライン / 2025年1月15日 8時0分
-
4松屋が「本気のガチ中華」で投入した商品の"正体" 「中華一番」の作者も唸る「水煮牛肉」の実力
東洋経済オンライン / 2025年1月15日 8時40分
-
5理想の体形や収入がいつまでも手に入らない理由 強い願いも「無意識」に打ち負かされてしまう
東洋経済オンライン / 2025年1月15日 8時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください