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「驚異のドラマ」米国人語る「SHOGUN」圧倒的魅力 「今のアメリカに必要なのは虎永だ」という声も

東洋経済オンライン / 2024年9月17日 14時15分

日本のアニメや漫画から流暢な日本語を学んだゲーム会社のマーケティング・コーディネーター、ミゲル・モランさんは、アメリカのドラマが陥っている一種のパターン化を指摘する。

「アメリカのテレビ番組は、(傾向として)スケールが小さく、設定がオフィスやレストランの中などになっている。それに比べて、ユニークで壮大なスケールのSHOGUNを見ることができて興奮した」

モランさんはまた、「主役の2人の演技も素晴らしかったが、全編を通して照明やメイク、せりふなどもすべての人物を際立たせる役割を果たしたと思う」とも語る。

SHOGUNはアメリカ国民の願いをかなえるもの

SHOGUNが描かれた戦国時代を、今年の混沌とした大統領選挙を体験している現代のアメリカに通じる部分があるという見方もある。日本在住の作家・翻訳家のマット・アルト氏は、授賞式前にニューヨーク・タイムズに寄稿し、こう分析した。

「私たちアメリカ人は今、戦国時代ではなく、戦国的文化の時代にある。真田が演じた虎永は、まさに今日に欠けている人物だ。分極化し、分断された世間を巧みに操り、それをつなぎ合わせることができる。

オーディエンスが真田が体現する虎永に惹かれるのは無理もない。2024年のSHOGUNは、単に魅力的なテレビ番組ではない。アメリカ国民の願いを叶えるものだ」

日本育ちで国際政治学者でもあるジョシュア・ウォーカー・ジャパン・ソサエティー理事長からも話を聞いた。

「SHOGUNは、東洋と西洋が出会うという時代を超えた物語だが、今回のドラマ化では、徳川時代から今日に至るまでの日本の魅力を、ハリウッドが魅力的だと感じるような信憑性をもって再構築した。

真田氏は、日本人初のエミー賞受賞俳優としてだけでなく、プロデューサーとしても評価に値する。普遍的でありながらユニークなストーリーテリングを求められる業界で、日本文化の魂が燦然と輝くような作品に仕上げることができたのだから」

すべてが「本物」であることにこだわった

日米文化の懸け橋を目指すジャパン・ソサエティーは今年2月、真田氏ら主要製作陣を招いて、公開前の試写会を開き、筆者は真田氏らにインタビューした。

そこで真田氏は、世界に「本物の(authentic)サムライ作品」を伝えたいと強調し、世界配信されることになったのを喜んでいた。過去最多のエミー賞を受賞したことで、「本物の」サムライ作品が真に日本の外で評価された。

「異文化の映画を作るときは、本物を作らなければいけない。金儲けだけが目的ではない、すべてが本物で、カメラの前にあるものはすべてが本質的なものでなければならない、という気持ちを込めた」とも真田氏は語っていた。そのこだわりが実を結んだエミー賞授賞式の夜だった。

津山 恵子:ジャーナリスト

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