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令和を生きる「40代の男性」求められる"強い覚悟" 「老境の一歩手前」と見なされた時代は終わった

東洋経済オンライン / 2024年9月18日 12時0分

40代にはまだ、自己をアップデートできる可能性が残されているという(写真:kouta/PIXTA)

昭和30年代頃までは「老境の一歩手前にいる頽齢期」として描かれることもあった40代の男性ですが、時代の変遷とともにそのイメージはガラリと変わりました。

とりわけ、大学卒業のタイミングが「就職氷河期」と重なった現在の40代には、従来の常識があてはまらないと、明治大学教授の齋藤孝氏は指摘します。齋藤氏が語る、令和時代の40代が持たなくてはならない「高い緊張感と強い覚悟」とは。

※本稿は、齋藤氏の著書『40代から人生が好転する人、40代から人生が暗転する人』から、一部を抜粋・編集してお届けします。

現代と比べ「貫禄」があった明治の40代

私の父は大正生まれで、祖父母が明治の生まれです。今、あらためて父や祖父母の当時の写真を見返すと、現代の同年代の人たちと比べて10歳くらいは年齢が老けて見える気がします。

「老けて見える」という表現がもし適切でないなら、「貫禄がある」と言い換えてみましょう。むしろ大正や明治の人は、今の私たちから見て貫禄がありすぎるのです。

文豪・夏目漱石の生まれた年は明治維新より1年前の慶応3(1867)年です。その名を耳にすれば、堂々と髭を蓄えた風格漂うあの面持ちを思い出すはずです。しかし、彼が世を去ったのは49歳です。ということは、私たちが見ている漱石の写真は、それよりも若いはずです。それでもあの貫禄なのです。

また、文豪で言えば『浮雲』などで知られる二葉亭四迷も45歳で亡くなっています。お手元のスマホで今すぐ調べてもらえればわかりますが、眼鏡と髭が実に印象的な、際立った貫禄の容貌です。現代の平均的な40代男性のルックスとはかけ離れていると言えます。

ちなみに、いまテレビに出ている方で40代といえば、たとえば小泉孝太郎さんが2024年に46歳、高橋一生さんが44歳を迎えるそうです。

お二方とも明治の時代にタイムスリップしたら、20代の若者と間違われてしまうかもしれません。もちろん、タレントさんとそうでない人を単純に比べることはできませんが、一般の人たちだけに絞って比べたとしても、現代人の見た目が若くなっているのは確かです。

そういえば、『サザエさん』に出てくる磯野波平さんは、パッと見の雰囲気はお爺さんのようにも見えますが、昭和26(1951)年に朝日新聞で連載が開始された時点での年齢設定は54歳でした。2024年時点では、棋士の羽生善治さんや俳優の阿部サダヲさん、タレントの岡村隆史さんらと波平さんは"タメ年"ということになります。

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