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今「仕事を掛け持ちしない」のはリスクでしかない 安定した収入があれば新しいことを始められる

東洋経済オンライン / 2024年9月18日 17時0分

教え子の1人は、エンジニアとして働いていたコンピュータ会社から金融業界に転職しました。これまで培ってきた彼のITスキルは、コンピュータ会社にずっと在籍していれば、普通の才能として埋もれてしまったかもしれません。

一方、金融業界は、その規模の割にデジタル化が遅れており、かねてより問題視されています。そのアナログな世界に入ったことで、彼はITスキルによって巨大な組織に大きな影響力を持つことができているのです。

彼は今後、ITスキルに加え、金融業界で得た知識や人脈なども武器にして、どんどん世界を広げていくことができるはずです。

こうしたケースとは逆に、ずっと一つの企業に勤めている人なら、自分の3年後はだいたい想像がつくでしょう。自分の3年上の先輩や上司を見ればいいのです。それが、ほぼ3年後のあなたの姿です。

いったい、どちらがリスキーなのでしょうか。

過去においては、後者のほうがリスクは小さいと考えられました。しかし、AIの登場によってその立場は逆転しています。

「3年後が想像できる」ということは、もう「安定」ではなくなっている。むしろ、「変化に弱い」ということを物語っているのだと知ってください。

仕事を1つに絞ることがリスキーな時代であるにもかかわらず、副業アルバイトにすら手を出さない人たちもいます。

彼らの多くは、「本業をきちんとこなすことを優先すべきで、とてもそんなことに時間は割けない」と考えているようです。

しかし、それは思い込みに過ぎません。「複数の仕事を持てば、それだけ時間がかかる」という発想自体を変える必要があります。そもそも、そうじをしながらだって仕事はできます。

私の場合も、2つの仕事を掛け持ちしているからといって、みなさんの2倍忙しいというわけではありません。一方の仕事で得た経験を他方の仕事に生かすという掛け算のおかげで、むしろ時間は節約できています。

実は私は、周囲の人が考えているよりずっとひま人なのです。

それはなぜか。逆説的なことをいうようですが、要するに最初から私は「時間が足りない」ことをやろうとしているからです。

たとえば、2時間しかないときに、普通にやれば2時間ずつかかる3つの事柄を抱えているとします。そのすべてを終えるため、私は、それぞれにベストな時間の割り振りをし、ときに手の抜き方を真剣に考えます。それでなんとかしているのです。

具体的にいえば、常に電話を取れる環境(場所)を探し、そこで電話を受けながら別の作業をする……などです。

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