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「令和のコメ騒動」不足解消でも楽観できない事情 人口減少社会で「農地改革」が進まない本当の理由

東洋経済オンライン / 2024年9月20日 8時0分

日本の食料安保は、国際的には非常に高いレベルにあると言っていい。日本の農業政策は食料自給率の低さばかりがクローズアップされてしまうが、そういう意味ではエネルギー政策に似たものがある。日本のエネルギーは、ほぼ海外に依存しているわけだが、一時的なものを覗いて、エネルギー不足に陥ったことはほとんどない。

とはいえ、近年のインフレは農業生産にも大きな影響を与えている、例えば「農業物価統計指数」よると、2023年平均の「肥料」の価格指数は147.0(2020年=100)と約5割上昇しており、家畜の餌である飼料も145.8(同)となり5割近く上昇している(日本農業新聞「23年資材価格が過去最高 飼・肥料3年で1.5倍 農産物へ転嫁限定的」2024年1月31日)。

そんな中で農家の出荷価格は野菜が2023年の平均で113.3(生産者価格指数、2020年=100)と1割の上昇にとどまっている。農産物全体でも107.8にとどまっており、コストを価格転嫁できていないのが現状だ。

人口減少や流動性の少ない農地売買の実態を考えると、日本の農業生産の現場は、持続可能な事業というにはほど遠い。政治家は簡単に世襲が可能だが、日本の農家は世襲すら許されない。それが、現在の日本の農業現場と言っていいだろう。

岩崎 博充:経済ジャーナリスト

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