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「ブラックホール」で"時が止まる"は本当なのか? 何でも吸い込む「天体のラスボス」7つの不思議

東洋経済オンライン / 2024年9月28日 9時0分

じつは、時間の流れかたは場所によって異なります。ブラックホールのように重力が強いところにいると、時間の流れが「遅くなる」のです。

重力の「強い」場所→ 時間の流れかたが「遅く」なる
重力の「弱い」場所→ 時間の流れかたが「速く」なる

ブラックホールに近づくと、自分の動きがカタツムリのように遅くなる、というわけではありません。ややこしい話ですが、ブラックホールの近くにいる人にとっても、時間は普通に過ぎていくように感じます。しかし、ブラックホールの「近くにいる人」と「遠くにいる人」で時計を比べると、経過した時間がズレてしまっているのです。

過ごした場所によって時間の進みかたがズレてしまうなんて、不思議すぎますよね。ブラックホールの場合、重力が強すぎるため時間のゆがみも強烈なのです。

ある人がうっかりブラックホールの境界に近づくと、「あっ」という間に吸い込まれて帰らぬ人となります……。しかし、ブラックホールから離れた場所にいる人がその様子を目撃すると、吸い込まれる人の「あっ」という瞬間は、「あーーーーーーー……」と永遠に長く感じるということになります。

「ブラックホールの境界を見ると、時が止まったように見える」のです。

ブラックホールに吸い込まれる人は、境界付近にピタッとはりついたように見えます。その人が穴に消えて行く結末を見届ける前に、見ている側の人が先に寿命を迎えてしまうでしょう。

つまり、「ブラックホールの境界を見ると、時が止まったように見える」のです。

成長過程が謎のLサイズブラックホール

【ブラックホールの「七不思議」④】S・M・Lサイズがあるが、Lはなぜ存在するのか不明

いま知られているブラックホールは重さによって3つに分類されます。ここではわかりやすく、S・M・Lサイズと呼ぶことにしましょう。

【3つのサイズのブラックホール】

Sサイズ 太陽の数倍〜数十倍の重さ(恒星質量ブラックホール)
Mサイズ 太陽の100倍〜数十万倍の重さ(中間質量ブラックホール)
Lサイズ 太陽の100万倍〜100億倍の重さ(超大質量ブラックホール)

Sサイズのブラックホールは、星の死後に現れるものです。ブラックホールは奇妙すぎる天体ですが、恒星の一生を考えると、ごく自然に生まれてきます。

一方、Lサイズのブラックホールは、銀河の中心にあるものです。じつは、ほとんどすべての銀河には、その中心に巨大なブラックホールが鎮座しているのです。その巨大さゆえに「モンスターブラックホール」と呼ぶ研究者もいるほどですが、その成り立ちはわかっていません。

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