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第1志望「神戸大」に"2度不合格"彼の驚くその後 SNSから消えて、成人式も出ることができず

東洋経済オンライン / 2024年9月29日 8時0分

しかし、浪人をしたのに神戸大学に受からなかったことは、久保さんにとっては「人生の中でも最も大きな挫折」だったそうです。

「関西大学は世間的にはすばらしい大学です。でも、僕が通っていた明石北高校のクラスにはあまり浪人する人がいませんでした。だから、SNSから消えて、成人式にも顔を出せませんでした。学歴コンプレックスがすごくて、電車に飛び込もうかなと本気で思ったこともあります」

そんな中で、いろいろと制度を調べるうちに「編入」という制度に気づいた久保さんは、より学びたい勉強・研究をするには岡山大学が適切であったこと、私立大学理系学部の学費が高いこと、学歴コンプレックスを払拭したいなどの思いがあり、岡山大学の理学部地球科学科の3年次編入試験を受けて見事合格しました。

思い悩んでいた関西大学での出会いも、現在につながっています。関西大学2年生のとき、サークルで知り合った先輩の中井達也さん(後のABABA共同代表)と仲良くなって、在学中に一緒に起業。岡山大学に編入してからも、中井さんとさまざまなサービスを一緒に作りました。

2社起業してクローズした後に、大学4年生になった久保さんは3度目の起業で、最終面接までの「頑張り」を評価した企業から特別選考フローでスカウトが届くサービス「ABABA」を生み出しました。

このサービスの名前と提供のきっかけは、企業の選考で落ちて「あばばばば」と落ち込んでいる友達をなんとかしたいと思ったことだったそうです。

「浪人でうまくいかなかったという思いがあって、どこかで一発逆転したいなという思いが心の底にずっとありました。その1つが編入だったのですが、それ以外にも自分でもシンプルに嬉しいし、使いたいと思える、役立つサービスを作ろうと思ったのがきっかけです。

『ABABA』は、就職活動をしていた親友が企業の最終面接で落ちて、落ち込んでうつ状態になったことがきっかけでできました。

受験者が多い企業だと7次選考までありますが、そういう人たちの存在は受験で合格最低点から0.1点差で落ちる人と同じように可視化されないし、評価もされないんですよね。だから、不採用で落ちてもそれまでの頑張りを評価する仕組みを作ろうと思いました」

岡山大学卒業後は研究者になりたいと思っていた久保さんは、大気環境や気象についての研究をしたいと考え、神戸大学大学院海事科学研究科の海洋・気象研究室に進みます。

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