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梅田に出現「おしゃれなコーナン」が革命的すぎた グラングリーン大阪「gardens umekita」の凄さ

東洋経済オンライン / 2024年9月29日 10時0分

一方、「gardens umekita」は、かなり大胆だ。メインの商材を「緑と水」に絞り、専門店のようにしている。実際、都心部への出店を考えたとき、この方法は合理的である。というのも、都心部の場合、周りに多くの専門店が存在している。そのため、ホームセンターがその強みとして持っている「何でも揃っている」ことが、さしたる強みにはなりにくい。そんな中で、店の「個性」を押し出す方向が、その店のプライオリティを作り出すだろう。

今回は「緑と水」に注力し、そこに特化することで、たくさんの店がある中でコーナンができることが考えられている店舗だといえよう。そして、店舗構造もそれに合わせて通常のコーナンと変えている。

先ほども書いた通り、その通路は曲がりくねり、欲しいものまで一直線で行くというよりも、店を回遊して見ることになる。ある意味、街をぶらつく延長として、コーナンの中も見て回ることができる作りなのである。これまでの都市型コーナンと、消費者の動き方も変わってくる。

「ちょっと地味」なイメージがある「ホームセンター」

このように、今回のコーナンの試みは、あらゆる点で都心型のホームセンターに挑戦している。

同時に筆者が考えたのは、こうした店舗の存在は、既存の「ホームセンター」の概念を覆しうるパワーも持っているのではないか、ということだ。

突然だが、皆さんは「買い物をする場所」と聞いてなにを思い浮かべるだろうか。多くの人がデパートやショッピングセンター、あるいは商店街などを思い浮かべるのではないだろうか。一度でパッと「ホームセンター」を思い浮かべる人はなかなかいないだろう。ホームセンターは、これまで「ちょっと地味」な存在だった。

実は、都市論や社会学の文脈においても、ホームセンターはあまり旺盛に語られてこなかった。百貨店やショッピングモールについては多くの発言や議論、書籍や記事が出されているが、ホームセンターはどこか「地味」な存在なのだ。

それはなぜか。筆者が思うに、

① ホームセンターが「地方・郊外」を中心に出店を伸ばしてきたこと
② ホームセンターは「目的」があってはじめて行く場所だということ
③ホームセンター各社が、プロ(職人)向け業態を拡大してきたこと

という3点が関係していると思う。

ホームセンターのイメージを「gardens umekita」が変えるかもしれないワケ

①については、先ほど説明したホームセンターの成立からして明確だが、これがどうしてホームセンターの存在感を薄いものにしてきたのか。基本的に、こうした店舗について報じるメディアや業界人は、東京をはじめとする都市部に集中している。だから、どうしても地方や郊外といったものがその視野からこぼれてしまいやすい。

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