日本のEV市場が「失われた5年」になる強い懸念 欧州のEVシフトが減速する中で産業の変革を
東洋経済オンライン / 2024年10月3日 15時0分
「EVシフト」は、これからどうなっていくのか?
【写真】製造・販売するクルマを「電動化すればいい」だけではないのがEVシフト
その問いに対して、「短期的には踊り場だが、中・長期的には確実に進む」という見方をする人が、自動車産業界には少なくない。
直近では、経済安全保障推進法によって、EV向けバッテリー製造に対し、政府から日本の自動車メーカー各社に手厚い補助金の支給が決まった。これによって、日本にとってのEVシフトに向けた地盤固めが進む。
ところが、欧州では今、EVシフト減速の流れが鮮明化している。
ベンツ「市場環境がまだ整っていない」
これまでEVシフトの牽引役だった、欧州グリーンディール政策の政策パッケージ「Fit for 55」については、「2035年までに欧州域内で乗用車新車100%ZEV(ゼロ・エミッション)化」という法案整備が宙に浮いた状態になっているからだ。
欧州連合(EU) がいうZEVとは、BEV(バッテリー駆動の電気自動車)とFCEV(燃料電池車)だが、ドイツが合成燃料を使う内燃機関(エンジン車、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車)の併存も認めるよう求めている。
その影響は欧州の自動車メーカー各社に広がっており、直近ではスウェーデンのボルボが、現地時間の9月4日、これまで掲げていた「2030年までに新車100%EV化」という目標を事実上、撤回したことがニュースとなった。
また、ドイツのメルセデス・ベンツも今年2月、これまで掲げてきた「市場環境が整えば、2030年までに新たに導入する新車は100%EV化する」という方針において、「市場環境がまだ整っていない」との解釈を示している。
あわせて、アメリカではテスラについて、「新しい技術を先取りするアーリーアダプターの需要が一巡した」という見解が経済界に広まったり、フォードやGM(ゼネラル・モーターズ)がEVシフトの方針を修正し、アメリカで需要が高まっているハイブリッド車の重要性に注目し始めたりしている。
こうしたグローバルで変化が起こる中、日本では8月上旬に一部報道で「トヨタがサプライヤーに対してEV生産台数の中期目標の下方修正を知らせた」という情報が流れた。ただし、これについて、トヨタから正式なコメントやプレスリリースはない。
一方で、EV市場に対する新たなチャレンジャーとして注目されるのが、日本の大手家電メーカー、シャープだ。
ハイエース級サイズに「リビングルームの拡張空間」
この記事に関連するニュース
-
車の「税金」高すぎる! “二重課税”に“不公平な負担”の現状 「時代に則さない古い税制度」どう変わる? 自工会が「抜本改革」を明らかに
くるまのニュース / 2024年10月2日 20時16分
-
欧州の2035年EV化戦略、「自滅招く」とメローニ伊首相 業界は罰金と中国攻勢に悲鳴
産経ニュース / 2024年9月20日 11時58分
-
ボルボ、2030年までに「完全EV化」の目標を断念 EV市場の成長鈍化やEUの追加関税が逆風に
東洋経済オンライン / 2024年9月19日 19時0分
-
【プロが解説】EV(電気自動車)シフト、遅延の背景を探る
Finasee / 2024年9月18日 11時0分
-
エンジンは生き残る? EVシフト減速も「欧・中・米」による三つ巴の政治の戦いは続く…日本はどうなる? ボルボEV戦略撤回で業界の先行きは?
くるまのニュース / 2024年9月10日 19時10分
ランキング
-
1職場で梨のおすそわけ→喜んでたら、ほとんどが「いらない」 その理由に愕然…家庭での「果物離れ」でも、パフェなら人気?
まいどなニュース / 2024年10月3日 7時0分
-
2救急外来で医師「脚立やハシゴの事故ってこんなに多いのか…」 ゾッとする体験談が続々「ここまで危険だとは」
まいどなニュース / 2024年10月3日 7時20分
-
3モンダミンの正しい使用法、その手順に衝撃走る 4割弱が「知らなかった」と明らかに…
Sirabee / 2024年10月3日 5時30分
-
4簡単チェックリストで老後を判定!アナタは70歳まで働く必要がある?
オールアバウト / 2024年10月2日 21時40分
-
5「公園でのボール遊び禁止は誰のため?」“公園のルール”本気で変えた杉並区。きっかけは“小学生のひと言”だった
女子SPA! / 2024年10月2日 8時44分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください