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Z世代だからこそ見えている職場と社会のリアル 定時の概念、住居費高騰、政治の裏金問題…

東洋経済オンライン / 2024年10月4日 9時30分

残業は基準やルールが明示されないのが辛く、暗黙のままダラダラやると、精神的にもしんどい。基準がないから「試されてるのかな」と裏読みしてしまう若い世代も(写真:8x10/PIXTA)

若者と接する場面では、「なぜそんな行動をとるのか」「なぜそんな受け取り方をするのか」など理解しがたいことが多々起きる。

企業組織を研究する東京大学の舟津昌平氏は、新刊『Z世代化する社会』の中で、それは単に若者が悪いとかおかしいという問題ではなく、もっと違う原因――たとえば入社までを過ごす学校の在り方、就活や会社をはじめとするビジネスの在り方、そして社会の在り方が影響した結果であると主張する。

本記事では、前回、前々回に続いて著者の舟津昌平氏がZ世代の新卒社会人3名に対して、世で語られるZ世代像へのリアルな意見を聞いていく(3名は仮名、敬称略)。

「Z世代はすぐに転職する」という言説にどう思うか

舟津:「Z世代はすぐに転職する」と言われることがありますよね。働き始めて半年ほどのみなさんに伺うのははばかられるところもありますが、転職については率直にどうお考えですか。

残業の「過多」だけではない。残業がしんどくなる理由

木下:私は学生のときは、簡単に転職を考えることはないだろうって思っていました。でも、いざ働き始めたら、やってみないとわからないことばかりなので、転職についてもやってもないのに否定するのはよくないなと思い始めています。逆に今は、転職は全然アリだなと。

舟津:1年足らずで考え方が180度変わるのは面白いですね。実際に働いてみないと、そこはわからないものだったと。崎山さんはいかがですか。

崎山:転職自体はいいと思っています。ただ、勤務してから1年以内の転職はよくないなとも思っています。それこそ、逃げ癖がついてしまう。雇われている以上、自分が好きな仕事だけで働けるわけではないと思っているので、そこは我慢かなと思っています。

舟津:転職するにしても、今の職場でやれることってまだまだありますからね。崎山さんの基準としては、1年以内は転職しないとマイルールを持っているんだと。田川さんはどう思っていますか。

田川:僕も転職は好意的に捉えています。与えられた大事な選択肢の1つですし、それは学生の頃から思っていました。今の会社にも納得して入ってはいますが、一生は勤め上げないだろうなという気持ちで入っています。きっとどこかで転職するんじゃないでしょうか。

舟津:なるほどね。みなさん、転職には前向きということですが、会社への愛着や貢献意識を持っている、あるいは今後持てるということはありますか。

崎山:愛着はあるにはあります。ただ、一生今の会社に身を捧げるイメージはありません。あるとしたら、せっかく雇ってもらった、採用してもらったという意識はあるので、そこへの恩返しをできたらいいなっていう気持ちはありますね。

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