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Z世代だからこそ見えている職場と社会のリアル 定時の概念、住居費高騰、政治の裏金問題…

東洋経済オンライン / 2024年10月4日 9時30分

少し抽象的な話に昇華させると、「黙ってやり過ごす」ということが問題を乗り切る対処法として広まるのは、とても危険です。大学でも、卒論やレポートを何も言わずに期限を過ぎて出す学生たちがいますが、「政治家やオトナはそれで逃げ切れてるじゃん」と、大人を真似しているだけかもしれない。さっきの残業の話も、暗黙でやり過ごそうとする慣習の1つですね。だからこそ、若者や周りは見ているぞって伝えるのは絶対に大事なことですね。木下さんはいかがですか。

木下:政治の話を聞いて1つ思ったのは、私は今、(関東某所)に住んでいて、めちゃくちゃ治安が悪いんですよ。ニュースにもなっていますが、夜中は野外でドンチャン騒ぎだし、駅前では声をかけられることもあってすごく怖いんですよね。どうにかならないかなって思っています。

逃げ切った人が多数派の世の中で必要な態度

舟津:リアルですね。今まさに時事問題になっていますが、実際に住んでいる立場としても、やっぱり困っているんだと。

社会に求めることを聞いてみてよかったなって思うのは、ある意味若者だから話せることがあるからなんですよね。それこそ、(某所)の問題は、安全圏に住んで逃げ切っている人たちには絶対にわからない問題になっている。

今は都内の住居費ってすごく高騰していて、私の知り合いでも早い段階でマンションを買っている人は、同じ価格でも都内の結構いいところを買えたんですよね。でも、今から買おうとしている人の中には、「その価格じゃ今は相当の郊外しか買えないです」という人もいる。つまり、すでに住むところに悩まない「アガリ」の人がいる一方で、若い人や子育て世帯は、住む場所を選べなくなっていて、制約が大きい。だからこそ、多文化の問題や治安の問題を真面目に考えようというのが、若い人からリアルなものとして出てくるって、すごく意味があると思います。

木下さん一人ではどうしようもない問題ですし、引っ越しすればいいやんっていうのも、根本的な解決じゃないんですよね。

木下:借り上げ社宅なので、すぐに引っ越しするのも難しいです。

舟津:ある意味、若者支援で本当に求められることというか、気を遣うならそういうところからだよな、っていうのはすごく思いました。多数派を占めるオトナが、われわれは逃げ切ったから知らんと放置するか、未来の世代のために動けるか、大事な岐路に立たされていますね。私も襟を正して、ちょっとでも良い社会になるようしていければと思います。

みなさん、本日は大変真摯にお答えいただき、ありがとうございました。

舟津 昌平:経営学者、東京大学大学院経済学研究科講師

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