「太陽の正体は?」宇宙には"2つの面白さ"がある 「月、宇宙人、火星移住…」東大宇宙博士の話題書
東洋経済オンライン / 2024年10月5日 12時0分
ちなみにこの反応は永遠に続くものではなく、太陽には寿命がある。
現在46億歳である太陽の寿命は、約100億年。近年、人間の世界では「人生100年時代」といわれることが多いが、つまり現在の太陽は人にたとえれば46歳くらいということになるようだ。
では、老いた太陽はどうなるのか?
どんどん膨れあがり、やがて水星と金星を丸飲みしてしまうのだそうだ。地球も飲み込まれてしまうのか否かについては見解が分かれるところだというが、飲み込まれそうになるよりももっと早い段階で、地球の海は蒸発してしまうらしい。
したがって、生命が生き延びようと思ったら、火星に脱出しておかねばならないという(それが現実になるかどうかについての詳細は、本書を参照)。
「ブラックホール」は本当に存在する?
「ブラックホール」は、「重力が重すぎて光さえも逃れられない天体」。光も逃れられないのだから、見た目は真っ黒。宇宙にぽっかりと穴が空いたように見えるところからブラックホールと呼ばれているわけだ。
ただし天体とはいえ、地球のように降り立つことができる「表面」があるわけではない。
しかしそれでも、「ここから先はブラックホール」という「境界」はあり、そこを超えてしまうと抜け出すことはできなくなってしまう。
ブラックホールの強すぎる重力は、数々の不思議なことを引き起こします。
たとえば、ブラックホールに近寄ると時間の流れかたが変わり、まるで時が止まったかのように見えます。他にはブラックホールのなかに入ると、別の場所にワープするかも……という話もあります。ワープ先は、この宇宙の遠く離れたところか、あるいは別の宇宙かもしれません。(40~41ページより)
「かもしれません」としかいいようがないほど謎に包まれているわけで、そんなに奇妙なものが本当に実在するのだろうかと疑いたくもなるかもしれない。が、その存在は確認されており、2019年には、「その姿を直接撮影することに成功した」という発表もあった。
なおブラックホールは発電効率がよく、少ない燃料で大きなエネルギーを取り出すことができるという。
そんなこともあり、理論的、観測的に熱心に研究が続けられているようだ。
宇宙はどこまで続いている? 果てはあるのか?
果たして宇宙に「果て(端っこ)」があるのかどうかは、現代科学でもまだ答えが出ていないようだ。
宇宙のなかで私たちが観測できる範囲には、限界があります。光が1年間に進む距離を「1光年」といいますが、この単位を使うと、観測可能な宇宙は、地球から約465億光年までの範囲に限られています。
しかし、実際の宇宙は、観測できる範囲よりも何億、何兆倍も超えてはるか遠くまで広がっていると考えられています。「限りがある(有限)」かもしれないし、「無限に広がっている」かもしれない――。
つまり、宇宙は、「端がある何らかの形をしたもの」なのかもしれないし、「空間が果てしなく続くもの」なのかもしれないのです。ただ、どうやっても自分たちの目で見て確かめることはできません。(42ページより)
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