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「太陽の正体は?」宇宙には"2つの面白さ"がある 「月、宇宙人、火星移住…」東大宇宙博士の話題書

東洋経済オンライン / 2024年10月5日 12時0分

しかも不思議なことに、「限りがある」と「果て(端っこ)はない」が共存する場合もあり得るのだという。頭が混乱しそうな話だが、著者はこのことを地球を例にして解説している。

当然のことながら地球には限られたスペースしかないが、船に乗って海を旅していくと、ぐるりと世界一周できてしまう。いわば、「地球には、限りはあるけれど、果てはない」ということだ。

つまり、もしも宇宙がそうなっていた場合、「地球を出発して宇宙船でいろいろな星をめぐり、銀河をめぐり、限りなく遠くまで旅をしたと思ったのに、いつの間にか出発地点の地球に戻っていた」ということもあり得るということだ。

納得できるような、ちっとも納得できないような話だが、宇宙はそれほど謎に包まれているわけである。

宇宙人は本当にいるのか?

誰もが知りたいと思っているに違いないこの問題について、著者は「宇宙人」を「UFO」「地球外生命」「地球外知的生命」に分けて答えている。

まず、UFOは存在します。なぜなら「UFO=未確認飛行物体」だからです。ただし「UFO=宇宙人の乗り物」という科学的な証拠は、いまのところありません。(44ページより)

過去の大規模な調査によって、目撃されたUFOの94%は「見間違い」であるという結果が出ているのだそうだ。

つまり多くの場合は、飛行機や天体をUFOだと思い込んでしまっているということ。

なんとなく残念だが、しかし「そうだろうな」と思わざるを得ない部分もある。

ただし2023年にNASAがUFOを研究する責任者とメンバーを任命し、データの収集・分析に取り組むと発表しているため、これから驚くような事実が発見されるかもしれないという。

続いて、地球外生命。つまり、「地球以外の場所にいる生き物」のことです。
地球外生命は、太陽系のなかにも潜んでいる可能性があります。火星、木星の衛星「エウロパ」、土星の衛星「エンケラドス」が候補地です。(45ページより)

そして、いちばん気になる地球外知的生命である。人間のように高度な知能を持った生命――宇宙人がいるのかについてだが、この疑問に対する答えにはさまざまな説があり、学者によって見解が分かれるようだ。

天文学的には、宇宙にはとてつもない数の星があるため、「宇宙人はきっと宇宙のどこかにはいるんじゃないか」と考えたくなります。
一方、生物学の観点では、宇宙における生命は地球にしか見つかっていませんし、そもそも地球の生命がどうやって生まれたのかもまだ解明されていません。仮に地球外に生命が存在したとしても、知的生命にまで進化することは簡単ではなさそうなので、「宇宙人なんていないんじゃないか?」と考えることもできます。(45ページより)

要するに、宇宙人の問題は、科学の視点で掘り下げてみると非常に奥が深いということだ。

そのため、生物、化学、物理学、天文学、宇宙論など、あらゆる分野の知見を総動員しながら、その答えを見つけるための研究が進められているという。

さて、私たちは生きている間に、「答え」を確認することができるのだろうか? そして、宇宙人と挨拶したりする日は訪れるのだろうか?

印南 敦史:作家、書評家

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