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モスが始動「5年で100店舗」狙う新業態の"懸念点" 駅ナカにジューススタンド、味も普通に良い、が…

東洋経済オンライン / 2024年10月5日 9時40分

コロナ禍で駅の人流は激変したものの、モスのプレスリリースによれば、池袋駅の人流はコロナ禍前の約85%まで復活しており、十分な収益性が見込めるのだろう。駅の狭小物件でも十分展開できる可能性があれば、そこは金の鉱脈が眠っているともいえるのだ。

また、新しいカフェ業態である「山と海と太陽」についても、狭小面積での出店が可能であることに加え、そもそもコロナ禍以後、リモートワークなどの普及によってカフェの需要が増加したことも指摘しておくべきだろう。モスはコロナ禍の2020〜2021年から、コロナ後を見据えてカフェ事業に乗り出しており、「山と海と太陽」もその流れにある。

いずれにしても、この2つの新業態は、どちらともコロナ禍以後の状況に対応した業態開発といえるのだ。

多様化するハンバーガー業界

また、モスがこのように「ハンバーガー店」以外の新業態に積極的なのには、ハンバーガー業界をめぐる状況もあるだろう。

というのも、現在のハンバーガー業界は、これまでにないほど多様な姿になっているからだ。日本でハンバーガーが本格的に広がったのは、1950年代だといわれているが、それが一般化したのが1970年代以降のハンバーガーチェーンの上陸以後。モスもこの時期に創業しているし、マクドナルドが銀座に1号店を構えたのは1971年だ。

それから時を経た現在、2000年中頃ぐらいから、材料や製法にこだわった「グルメバーガー」が話題になり始め、2010年代中頃から急激に店舗数を伸ばし始める。それ以外のハンバーガーも含め、百花繚乱の様相を呈してくる。

『ハンバーガーとは何か?』(グラフィック社 ・2024年)の中で著者の白根智彦氏は、「シェイクシャック」や「カールスジュニア」のような外来系のハンバーガーから、日本独自の発展を遂げたグルメバーガー、ステーキハウスのハンバーガーなどなど、きわめて細かく日本のハンバーガーを分類しているが、これだけいろんなハンバーガーがあるのか……と思わずにはいられない。

チェーンバーガーとグルメバーガーは直接対立しないけれども、「ハンバーガー」に対する認識が一般化するにつれて、競合が増えていったのも確かだろう。同じチェーン系ハンバーガーでいえば、2019年ごろから急激に店舗数を伸ばしているバーガーキングの存在も忘れてはならない。いわば、競合が増えたのだ。

このような中、モスは「ハンバーガー」と並ぶ「次なる一手」を模索しているのではないだろうか。

モスが貫いてきた「人間性の重視」

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