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モスが始動「5年で100店舗」狙う新業態の"懸念点" 駅ナカにジューススタンド、味も普通に良い、が…

東洋経済オンライン / 2024年10月5日 9時40分

しかし、私が以前指摘した通り、こうした小売企業での音楽事業のタイアップは過去の例を見ても難しく、モスレコーズの試みもどれぐらい成功するかわからない。理念は良くてもビジネス的な意味での成功があるのかどうか、わからないのだ。

ただ、現在進めているジューススタンドのような新業態は、ここまでで指摘してきた通り、モスの理念を受け継ぎつつ、ビジネス的にも時流を捉えたもので、面白いのではないかと感じているのだ。

もちろんのことながら、モスバーガーは既存のハンバーガー事業でも、さまざまなトライを行っている。その1つが日本らしさのある新メニューや、健康に配慮した新メニューの開発だ。

古くは1987年に誕生したライスバーガーなどがその代表例だが、近年でも大豆を用いて肉を使わないハンバーガー「ソイパティ」などを生み出している。これらも、「健康」という側面から「人間性への重視」を支えている。

最大にして唯一(?)の懸念点は「価格」か

「両利きの経営」という言葉がある。経営には、既存事業の「深化」と新規事業の「探索」の2つが必要だという考え方である。モスバーガーは、まさにこの「両利きの経営」を行っているのではないか。そして、その2つの底には、「人間性の重視」という精神が流れていると思うのだ。

もっとも今回のジューススタンドに課題は多い。筆者が気になったのが値段。多くのドリンクが180mlで500円と少々高いのだ。都心価格の範疇っちゃ範疇なのだが、量を考えるとお高めなのは否定できない気もする。

ここまで良い話をしていただけに、気になっていた読者の中には「ちょっと、いいかな……」「お財布にとっては、サスティナブルではないな……」と思った人もいるかもしれない。

とはいえ、池袋の1店舗のみの展開だから、実験的な価格なのだろう。モスの流通網を活かして、値段をある程度下げていく必要があるようにも感じた。いずれにしても、この新業態の「探索」をどのように進めていくのか、注目されるところだ。

谷頭 和希:チェーンストア研究家・ライター

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