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石破政権の誕生は「日本経済正常化」の第一段階だ 真の経済発展政策「社会資本・主義」が始まる

東洋経済オンライン / 2024年10月5日 9時30分

岸田政権の「新しい資本主義」とは何だったのか?という疑問を多くの人が持っただろう(そして今では忘れているだろう)。これを、「新しい」資本主義、と捉えるのではなく、「新しい資本」主義、と捉えなおすのである。

では「新しい資本」とは何か。それは株主資本ではなく「社会資本」である。株主資本だけでなく、社会資本をも重視する政策、それが「新しい資本主義」であったのだ。

社会資本は英語ではまさにSocial Capitalである。日本の学界では、アカデミックな意味でのSocial Capitalは「社会関係資本」と訳すのが多数派のようだが、ここではアカデミックよりももっと広くSocial Capitalを捉え、社会資本としている。1990年代の議論では、これには、人々の信頼、社会における関係性、そして民主主義を含む社会の制度が含まれるとされた。

そして、この社会資本が充実している国ほど経済成長する、という実証分析が流行した。ロバート・バロー ハーバード大学教授をはじめ、多くの経済学者が、民主主義が経済成長をもたらすという実証研究を行ったが、それは、この議論の一部だったのである。

Social Capitalの研究でもっとも有名なのは、政治学者であるロバート・パットナム ハーバード大学教授の“Making Democracy Work: Civic Traditions in Modern Italy”というイタリアの地方政府の南部と北部の比較分析、およびアメリカ社会を題材とした『孤独なボウリング――米国コミュニティの崩壊と再生』という著作である。フランシス・フクヤマの『TRUST』もこの流れに含まれる。

「社会資本」の定義はあいまいで、広いものだが、学問的な厳密性はともかく、現実の経済政策に関して言えば、すべての人々が安心して暮らせる社会、これこそ、「社会資本」である。そして、これを支えるための法制度そして政策、それが「社会資本・主義」政策である。

イシバノミクスの潜在的可能性

イシバノミクスは、以下のように体系化できる潜在的可能性がある。

この「社会資本」の確立、修復、安定を政策の目標とする。国家を地政学リスクから守ることで、安心して経済活動に専念できる。災害から国土を守ることによって、安心して生活ができる。安定した消費、生産活動ができる。インフレという価格変動リスクから生活者、中小生産者を守る。健全な消費、生産活動につながる。将来のリスク、不安、不確実性も減るから、設備投資、人的投資もできるようになる。そのためには、社会不安が減り、将来の見通しへの不安が減ることが必要である。

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