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「集中力向上」誰にでも効く"身も蓋もない"特効薬 けっして「気合や根性」で高まるものではない

東洋経済オンライン / 2024年10月6日 16時30分

やりたくないこと、面倒なことをやるときの動機づけとして有効なのが「ごほうび」です。「馬の鼻先にニンジンをぶら下げる」と、ニンジン(ごほうび)をもらえたときの喜びを想像して、脳は意欲的になります。

ごほうびには、食事、お金、旅行、品物といった「目に見えるごほうび(物理的な報酬)」だけでなく、「やり遂げることができて嬉しい」「ほめられて嬉しい」「新しいことを学べて嬉しい」など、「目に見えないごほうび(心理的な報酬)」もあります。

では、さまざまなごほうびの中で、脳が1番喜ぶごほうびはなんだと思いますか。脳にとっての1番のごほうびは、物品やお金でも、ゲームやマンガでもなくて、「新しい情報を知ることができて嬉しい」という満足感と、「早くやり終えて嬉しい」という達成感です。

以下のようなサイクルをイメージするとわかりやすいでしょう。

【新しい情報を知ると、脳は喜ぶ】
●勉強をする
    ⬇
●新しい知識が身につく
 知らなかったことがわかるようになる
 できなかったことができるようになる
    ⬇
●「嬉しい! もっと知りたい!」(満足感)
    ⬇
●さらに勉強したくなる

【予定より早く終わると、脳は喜ぶ】
●上司に言われた仕事を、期日前に提出できた
 取引先から提示された課題に、すぐに対応できた
    ⬇
●「予定よりも早く終えることができて、嬉しい!」(達成感)
    ⬇
●もう一度同じ喜びを得たい一心で、「めんどくさい」「やりたくない」とは思わなくなる

脳は何度でも「ごほうび」が欲しくなる

このように、脳には、「ごほうびをくれる行動を繰り返したくなる」「同じ喜びを再現するように働こうとする」という特性があります。

知識欲や達成欲が満たされて、「やりたくないことこそ、やり切ると嬉しい」「どんなことでも、学びが得られる」「『自分にはできない』と思っていたことでも、案外できる」ことがわかれば、「めんどくさい」「やりたくない」を解消できます。

何かを始める前に、「面倒だな」「やりたくないな」という気持ちがもたげて来たら、「でも、早く終えたら嬉しい!」「それでも自分のプラスになる!」と思い直してみてください。

また、「目に見えるもの」ばかりごほうびにすると、ごほうびを得ることが目的になってしまい、「ごほうびがないと、やらない」という状況に陥ることがあります。

飲酒、喫煙、ギャンブルなど、脳への作用や依存性が強いものではなく、達成感や満足感をごほうびに設定する。すると脳は自発的に集中し始めるため、仕事や勉強への集中力を失うことはありません。

加藤 俊徳:医学博士/「脳の学校」代表

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