1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

平井一夫「仕事は自己を滅してするもの」は間違い 自分の人生はまず自分の中での優先順位を大切に

東洋経済オンライン / 2024年10月8日 18時0分

他方、社会人になって数年の20代の人たちには「出世したくない」と考える人も多いようです。私としては、若い人たちには大いに仕事を楽しみ、成果を出して、将来的にはよきリーダーになっていってほしいので、もし「出世したくない」という傾向が強くなっているとしたら残念な話です。

とはいえ、若い人たちを責める気はまったくありません。なぜなら、もし「出世したくない」と考える若い人が増えているとしたら、それは若い人たち自身のせいではなく会社のマネジメント層のせいだからです。

そもそもなぜ、出世したくないのか。人は皆幸せを求めるものだと考えれば、答えは明らかです。出世を「自分の仕事人生の1つのゴール」として考えられない人が多いのだとしたら、その大きな理由の1つは「出世して幸せそうに見える人」を、ほとんど見たことがないからでしょう。

たとえば、「出世しても、ただ単に責任が重くなるだけ」「大変な仕事なのに、給料はほとんど上がらない」「部下の管理が大変」──日ごろ、こんな話ばかり聞かされていたら、「あの立場にはなりたくないな」と考えるようになっても不思議ではありません。

つまり若い人たちが「出世したい」「よきリーダーとなり、部下を率いて成果を上げたい」と思うかどうかは、リーダーの仕事内容から賃金面での処遇まで含め、そう思えるような環境や企業文化があるかどうかにかかっているわけです。そして、そんな環境や企業文化を作るのは、究極的には企業のトップです。

そうは言っても、現実にはひとたび会社に入ったら、基本的に、しばらくはそこで過ごすことになります。上司を選ぶことはできませんから、「ロールモデルとなるようなリーダーがいない」と文句を言っても始まりません。

そんな中、いかに働き、生きていくか。あなたの仕事人生が少しでも充実したものとなるよう、私から提示できることをお話ししていけたらと思います。

「そもそも、何をしたいのか」を考えよう

これからの人生を後悔なく歩んでいくためには「優先順位と、優先順位と、優先順位が大事!」と言ってもいいくらい重要なことなので、まず、この話をしたいと思います。

自分自身を振り返ってみても、ずっと優先順位を意識してきました。私の人生が周囲の目にどう映っているかはわかりませんが、自分では割と満足できる人生になっているなと思えるのは、常に優先順位を意識していることが大きいと思います。

当然ながら、すべてが思い通りになってきたわけではありません。この世はままならないものだと悔しい思いをしたこともたくさんあります。それでも、少なくとも「これも自分が選んだことの結果」と納得することができた。その時々で「自分にとって大切なもの」「自分がしたいこと」を大切にしてきたから、反省はあっても後悔はないのです。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください