アサヒ「キンプリいじり」便乗は何がマズかったか 企業がSNSで活用する"ネットミーム"の落とし穴
東洋経済オンライン / 2024年10月8日 10時0分
アサヒビールが公式Xアカウントに投稿した新CMの告知が批判を浴び、削除して謝罪するに至った。
なぜ炎上したのか? 何が問題だったのか?
はたから見るとわからないところが多いのだが、当該の投稿は既に削除されており、確認のしようもない。
あらためて整理してみよう。
10月2日、アサヒビールは同社の公式Xアカウントに「待ってこれ 手震えるんだけど #ドライクリスタル #ドラクリ」というテキスト、画像を投稿した。画像も文章になっているのだが、一部の文字が赤丸で囲われており、そこだけ抜き出すと「リようとかンなとかんぱいあさって(亮と環奈と乾杯明後日)」と読めるようになっている。
つまり、俳優の吉沢亮(りょう)さんと橋本環奈(かんな)さんが出演するテレビCMの予告をほのめかす投稿だった。
一見すると、投稿内容に何も問題はないように見える。問題だったのは、内容ではなく、投稿のお作法だったのだ。
アサヒビールの投稿は「キンプリ構文」だった
インターネット掲示板やSNS、テレビのラテ欄でよく行われている言葉遊びで「縦読み」というものがある。ご存じの方も多いかと思うが、横書きの文章の頭にある文字をだけを縦に読んでいくと、意味のある文章になる、というものだ。
今回のアサヒビールの投稿は、その中でも“変則的な”縦読みと言われるものだった。さらに「待ってこれ 手震えるんだけど」という投稿文にも、見覚えのある人たちがいた。
これは、2022年にアイドルグループKing & Prince(キンプリ)から平野紫耀さん、神宮寺勇太さん、岸優太さんの3人が脱退すると発表された際、平野さんが公式ブログに投稿したメッセージに対するファンの反応とそっくりだったのだ。
平野さんのブログの文章に対して、ファンが、頭文字ではない部分に赤丸を付けて、「かなしいなてはなすの(悲しいな、手離すの)」というメッセージになる、とした推理を投稿。
その際に「待ってこれ 手震えるんだけど」という言葉を添えていた。少々強引な推理ではあったが、これは当時のキンプリファンの動揺を示すエピソードとして知られている。
これをきっかけに、投稿文章の中から文字を選んでつなげて、別の意味を込めたり、読み取ろうとしたりする行為がSNS上で流通し、「キンプリ構文」と呼ばれるようになった。
アサヒビールの投稿は、賛否あったキンプリファンの行動をいじるもの、そしてキンプリ分裂という「悪いニュース」を想起させるものだっただけに、ファンから批判の声を浴びる結果となった。
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