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ニュース報道の現場から伝える「気候変動問題」 求められる「提案型ジャーナリズム」

東洋経済オンライン / 2024年10月9日 16時40分

なかでも、気候変動を報じるメディアを支援する一般社団法人「Media is Hope」の若者たちが、私の取材したYouTube動画を見て、連絡をくれました。「テレビ朝日で気候変動に関する特番を放送してほしい」と、熱意をもってアピールしてくれたのです。

昨年9月に放送した特番、SDGsスペシャル「再エネ革命!ニッポンの挑戦」の放送時には、彼らが主体となって渋谷でパブリックビューイングを行うなど、若い力が番組を応援してくれました。そして、今年も9月22日に、地域と共生する洋上風力をテーマにした特番「緊急報告!再エネ革命 風車が導く奇跡の物語」を放送し、再び彼らがパブリックビューイングなどのイベントを行ってくれました。

こうした嬉しいことが起こった反面、「普通のアナウンサー」でいられなくなったという実感もあります。書籍の出版を経て、プラスの意味でもマイナスの意味でも、「再エネ取材の人」というイメージが付いたのではないかと感じています。ときどき社内で「変人扱いされているのではないか……」と不安になることも(笑)。それでも、国内外で気候変動による被害を受けた人々を取材してきた経験があるからこそ、これは私にとって目を背けられる問題ではないのです。

気候変動対策を訴えるコンテンツを持続させるために

普段から興味深い取り組みがあれば電話をかけるなどして情報を得て、自分で取材テーマを見つけるようにしています。企画書を書き、いろいろなプロデューサーの元に持って行きます。企画が採用され、放送が実現するのは3カ月に1回ほどで、もっと増やす必要性を感じています。だからこそ、9月22日に放送したような特番は私にとって大きなチャンスです。これからも企画の意図や意義を訴え続け、局内で仲間を広げていきたいですね。

私に温かく声をかけてくれる団体や企業が存在するように、気候変動に危機感を持って、真剣に対策に取り組む人たちは確実にいます。気候変動対策はSDGsなどの社会貢献に積極的な企業が取り組んでいるテーマであり、若い世代こそが自分事として捉えているテーマです。

これからも会社の外にも積極的にネットワークを広げ、同じ思いをお持ちの方々と連携し、気候変動対策を訴える番組が持続可能となるように、そして日本の社会の中で気候変動対策が少しでも前進するように、地道な活動をコツコツと続けていきます。

(インタビュー・構成/阿部日向子)

山口 豊:テレビ朝日アナウンス部上級マネジャー

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