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会社員なら知るべき「人数」が超重要な科学的根拠 人間関係の根底にある「ダンバー数」のすごさ

東洋経済オンライン / 2024年10月10日 11時30分

部署の人数が多すぎて、信頼関係が築けなかったり、派閥ができたりすることはよくありますが、その背景には進化がもたらした人間の生得的な傾向があります(画像:takeuchi masato/PIXTA)

友だちの数、生産性の高いチームのメンバー数、縦割り化する会社の社員数……。これらの人数は、進化心理学者のロビン・ダンバーが発見した「ダンバー数」や「ダンバー・グラフ」に支配されている。古来より人類は、「家族」や「部族(トライブ)」を形作って暮らしてきたからだ。

メンバー同士が絆を深め、信頼し合い、帰属意識をもって協力し合う、創造的で生産性の高い組織を築くためには、このような人間の本能や行動様式にかんする科学的な知識が不可欠である。今回、『「組織と人数」の絶対法則』より、一部抜粋、編集のうえ、お届けする。

集団の規模の問題は無視されがち

チームやグループについて考えるとき、私たちは機能や責任に注目し、価値の創造や関係する人の能力に配慮する。だが規模について考えることはまずない。

【図解で簡単にわかる】ダンバー数のすごさ

順調に機能するには部署が大きすぎるということがあるだろうか。チームが与えられたタスクに向かないということがあるだろうか。

組織にときたま出現する有害な文化――「我ら」と「彼ら」の精神構造――は、組織内のグループの規模によって説明できるだろうか。会話が収拾つかなくなるのはどのような場合か。

数学者のブノワ・マンデルブロが雲を「重なり合う波」の微小な複合構造体と見なしたように、組織の中の小さなクラスターやごく小さなグループに焦点を合わせることに利点はあるだろうか。

組織は財務コストの測定は得意でも、失われた人的資本(巨大企業というタンカーから漏れ出たエネルギーや才能、忠誠心、自発的な努力)の無形コストの測定は得意ではない。

私たちは利益については知り尽くしているが、組織内の各人の信頼性や果敢さが正しく認識され、伸ばされ、結集されていたとしたら、どれほどの利益が得られたかについては知ろうとしない。

また、諸経費を計上する一方で、信頼性の低下によって生じる、余分な中間管理職層や過剰な規則による制限、本来は不要だったノルマにもとづく評価や職場支援、常習的欠勤や顧客離れ、無駄を見過ごす。

何より、次なる目標やアイデアを追うことに懸命なあまり、人間の本質や相互作用の不変性を見過ごしてしまう。

組織がうまく機能するかどうかは、集団の規模に大きく左右される。このことを理解するために欠かせないのが、ダンバー数として知られる数字である。

「ダンバー数」とは何か

ひとことで言えば、ダンバー数とは1人の人がある時点で人間らしい関係を維持できる人数の上限を意味する。

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