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中学受験の「魔の夜」を避けるためにすべきこと 「魔の月」の苦しさと向き合い現実を受け入れる

東洋経済オンライン / 2024年10月10日 8時0分

中学受験で“全落ち”という厳しい結果を避けるため、併願戦略はどう立てればいいのでしょうか(写真:genzoh / PIXTA)

秋になり、いよいよ年明けの中学受験シーズンが迫ってきている。模試の結果や塾の面談などを通して、志望校選びで頭がいっぱいになっている保護者も多いのではないだろうか。そこで教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏に、中学受験「併願戦略の原則」について寄稿してもらった。

中学受験は構造的な負け戦であるという現実

10月、11月あたりは、小6の中学受験生の親にとって「魔の月」といわれます。最も感情が不安定になります。模試の結果によって、いよいよ志望校を絞り込まなければいけないからです。場合によっては、頑張ればぎりぎりで手が届くかもしれないという淡い期待に終止符を打ち、現実を受け入れなければなりません。

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通学可能圏内のさまざまな学校の説明会、運動会、文化祭に参加して、最も魅力を感じる学校が第一志望になります。そこに合格できれば万々歳ではありますが、第一志望に合格できるのは3割にも満たないともいわれています。つまり中学受験が構造的に負け戦であることは、中学受験生の親がまず受け入れなければならない現実です。

しかし、第一志望に合格できなかったからといって中学受験の失敗を意味しません。甲子園を目指す高校野球の選手たちのほとんどが県大会で敗退したからといって、彼らが白球に青春を懸けたことが失敗だったことにはならないのと同じです。受験生を見守る親としては、第一志望は子どもに受験勉強のモチベーションを与えてくれる存在だととらえたほうが精神衛生上、健全です。

ですから模試の結果、偏差値が足りなくて合格可能性が低くても第一志望はあきらめなくていいと、ベテランの塾の先生たちの多くは口をそろえます。それによって仮に不合格をくらっても、結局はそのほうが中学受験の後味が良くなることを経験上よく知っているからです。

憧れの学校から不合格をくらえば当然傷つきます。傷ついているわが子を見るのは親としても非常につらいことです。でも、傷つくことは悪いことではありません。その痛みから何を学び取るかが重要です。傷ついても腐ることなく前を向き、堂々と新しい道を歩み出すわが子の横顔を見て親は、「どんなことがあってもこの子は自分の人生を歩んでいける」と感じられるようになります。それは中学受験が親子にもたらした大きな果実といえるでしょう。

むしろせっかく中学受験をするならば、どこかで納得できる合格を手にすることは前提として、悔しい不合格の1つや2つを経験するほうが、親子にとっての学びは大きくなるんじゃないかと私は思います。

その併願戦略でどこかには受かる確率は何%?

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