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解説者が「大谷翔平のモノマネ」でクビになった訳 米国の「キャンセルカルチャー」はどこへ向かう

東洋経済オンライン / 2024年10月11日 13時30分

(写真:ccckkk/PIXTA)

現在プレーオフ真っ最中の大谷翔平選手。まさにアメリカを熱狂させているが、過去には解説者が大谷選手のモノマネをして即降板になったことがあるという。何が問題になったのか。日本でも近年話題となっている「キャンセル・カルチャー」について、アメリカで活躍する日本人スタンダップコメディアン、サク・ヤナガワ氏が解説する(本稿は『どうなってるの、アメリカ!』より一部抜粋・編集したものです)。

アジア系のアクセントを模したら

2021年8月、MLBのデトロイト・タイガース対ロサンゼルス・エンゼルスの一戦が、本拠地デトロイトの中継局バリースポーツで生放送されていた。6回表、大谷翔平が打席に入った際、実況アナは、解説のジャック・モリス(白人)に「あなたなら大谷をどう攻めますか」と問いかけた。

すると、モリスはアジア系のアクセントを模した英語で(具体的にはLとRを混同させながら)、「ベリー・ベリー・ケアフル(とても慎重に攻めるよ)」と答えたが、この白人によるマイノリティの英語のモノマネが差別的だと炎上。試合途中の9回にモリスは謝罪に追い込まれた。

「先ほどの大谷選手への発言は、差別的な意図があったわけではありませんでした。しかし、特にアジア系コミュニティの方々に不快な思いをさせてしまったのなら申し訳ありませんでした」

試合後、この一件をUSAトゥデイやESPNなどの大手メディアが一斉に報じると、局はモリスに対し、無期限出演停止処分を下した。

たった数秒のアクセント・ジョークで、1人のベテラン解説者が職を失った。この発言自体に無論悪意があるわけではなく、ネット上ではこうした処分が重すぎるのではという声も聞かれた。

これまで、他者のアクセントを真似るこうした「アクセント芸」は伝統的にエンターテインメントの王道と見なされてきたが、特に白人によるマイノリティのアクセント模倣は近年、大きな批判の対象になりうるため、舞台上でもほぼ披露されることがなくなった。

アメリカを席巻するキャンセル・カルチャー

不適切な言動のあった企業や個人、作品を社会的に抹殺しようという「キャンセル・カルチャー」の風潮が、今アメリカで大きな広がりを見せている。「キャンセル・カルチャー」という時流は日々形を変えながら、アメリカを覆い、また対立軸となって私たちの生活に大きな影響を及ぼしている。

「キャンセル・カルチャー」を考察する前に、その起点である「Woke Culture(ウォーク・カルチャー)」について触れる必要がある。

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