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「地震と豪雨」能登半島ダブルパンチの深刻さ 現地調査した専門家が検証「今後警戒すべき点」

東洋経済オンライン / 2024年10月17日 12時30分

河原田川の橋脚に引っかかる流木(9月25日、輪島市内で筆者撮影)

「地震のときよりもひどい被害だ」――。

【写真】豪雨で深刻な被害、山側から流れて来た土砂に埋まった車と住宅

今年の元日、令和6年能登半島地震(以下「能登半島地震」)に見舞われた能登半島北部は、令和6年9月能登半島豪雨により再び大きな被害を受けた。冒頭の言葉は、石川県輪島市に住む方から豪雨災害後に聞いた言葉だ。

筆者は能登半島地震が起きてから、また今回の豪雨後にも現地へ足を運び、延べ19日にわたって現地調査を実施してきた。その結果から現地で何が起こっていたか、ハザードマップはリスクを想定できていたか、などを検証しながら、能登地方に限らず、私たちが今後警戒すべき点などを考察したい。

【次の記事】能登・仮設住宅浸水、ハザードマップの「想定外」

能登半島地震と9月の豪雨

2024年1月1日、16時10分に起きた能登半島地震はマグニチュード7.6、兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)や熊本地震の約3倍という莫大なエネルギーであった。

石川県能登半島北部、いわゆる奥能登と呼ばれる地域を中心に最大震度は7。広いエリアで震度6弱~6強を記録し、10月1日時点での死者総数は412人(災害関連死含む)という甚大な被害を生じた。

地震から8カ月半が経って、道路の復旧や倒壊家屋の公費解体、ライフラインの復旧がようやく進んできた矢先の9月21日、折からの前線や低気圧が接近した影響で線状降水帯が発生。地震で大きな被害があった奥能登地域が、豪雨という再びの災害に見舞われた。

気象庁によると能登地方では9月21日、22日10時までの48時間雨量が輪島市で498.5mm、珠洲市で393.5mmと気象庁の統計史上最多となった。これは平年の9月1カ月分の雨量に比べて、2倍余りの雨が2日間で降ったことになる。

輪島市と珠洲市は能登半島地震の震源域に近く、特に家屋の倒壊等の被害が大きかった地域と重なってしまった。

【写真】地震・水害で相次いで被害を受けた街の様子など(8枚)

能登半島の地形と地理的位置を押さえておきたい。金沢市から奥能登の中心都市、輪島市までは約110㎞あり、能登半島は山がちで急峻な地形が多く、低地(周辺部より相対的に高度の低い土地)は少ない。

輪島市(426.2平方キロメートル)と珠洲市(247.2平方キロメートル)を足した面積(673.4平方キロメートル)は、東京23区の面積(627平方キロメートル)を上回る。

しかし、人口は輪島市が約2万人、珠洲市が約1万人の計3万人強で過疎化が進む。輪島市輪島地区といった市街地、古くからの幹線道路に沿った集落や漁村集落のほか、狭い谷あいに数戸~数十戸単位の小さな集落が分散している。

地震によるダメージが豪雨被害を大きくした

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