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1日1000個売れる静岡市「あみ焼き弁当」の底力 深夜3時まで営業、しずおか食堂の名物695円

東洋経済オンライン / 2024年10月19日 10時0分

お土産にあみ焼き弁当を買って帰ると、遅くまで飲み歩いても家族に許してもらえるという話が静岡ではよくあるらしい(筆者撮影)

筆者が取材エリアとしているのは、基本的に名古屋以西。それこそ、九州や沖縄へ行くこともある。名古屋以東は静岡県静岡市くらいまで。静岡よりも東となると東京から行ったほうが近いため、筆者の出番ではなくなる。

【写真】「あみ焼き弁当」の中身はこんな感じ。豚バラ肉でご飯を巻いて食べるのが旨い

静岡方面、とりわけ浜松よりも東のエリアへの出張が決まるとワクワクする。お気に入りの店に立ち寄ることができるからだ。

その店の営業は深夜3時まで。どんなに仕事で遅くなっても心配することはないうえに1食695円と激安。それが静岡市葵区両替町にあるしずおか弁当で1日1000個売れるという名物弁当であり、静岡市民のソウルフードといわれる「豚あみ焼き弁当」(以下、あみ焼き弁当)である。

豚バラ肉のあみ焼きとご飯以外は何も要らない

きっかけは5年ほど前。静岡在住のカメラマン仲間がSNSにアップしていた写真をひと目見て心を奪われたのだ。で、早速、静岡への出張時に立ち寄って購入した。

弁当箱の蓋を開けると、褐色のタレがかかった豚バラ肉のあみ焼きがご飯の上を覆い尽くしている。いろんな種類のおかずを少しずつ楽しめるのも弁当の醍醐味であることは否定しないし、筆者もそう思っていた。

【写真】豚バラ肉でごはんを巻いて食べるのが旨い。シンプルな組み合わせだが、知恵と工夫が凝縮されている

豚バラ肉のあみ焼きでご飯を巻いて食べてみると、肉はやわらかく、噛むごとに肉の旨みとともに染み込んだ甘辛いタレの味が相まって、口から脳へ、そして全身の細胞が幸福感、いや、口福感に包まれる。猛烈に後を引き、あっという間に完食してしまった。

それでわかった。豚バラ肉のあみ焼き以外のおかずは要らないのだ。「もっと野菜を」とか、「栄養バランスが」という声も聞こえてきそうだが、毎日食べるわけではなく、年に数回のことゆえに大目に見てほしい。

すっかりあみ焼き弁当のファンになった筆者はそれ以来、静岡方面へ行くたびに買って帰るようになった。名古屋から行く場合、静岡よりも手前にある島田や藤枝への出張時も静岡まで足を延ばして立ち寄った。

何度か食べているうちに、フードライターとしての血が騒いだ。あみ焼き弁当について、じっくりと話を聞いてみたいと思ったのだ。いや、正直に告白すると、あみ焼き弁当が食べたくてたまらなくなり、静岡へ行く口実がほしかったのだ。

取材に対応してくださったのは、しずおか弁当を運営する静京商事有限会社の常務取締役、森谷昇吾さん。早速、店の奥にある厨房に案内してもらうと、ちょうどあみ焼き弁当を調理していた。

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