セブンの「上げ底弁当?」が今また"猛烈批判"の訳 値上げによる客離れを恐れ、ファン離れが発生か
東洋経済オンライン / 2024年10月20日 8時20分
グレイトフル・デッドは、顧客や消費者に対し、配慮と敬意を持って接することを教えてくれる。だが、多くの企業は、新しいお客さんを獲得しようとする一方で、昔からの忠実なお客さんを最優先するのではなく、無視している。ビジネスを成長させるのは大賛成だが、既存の顧客や消費者の気持ちを犠牲にしてはならない。
円安が長引く、なんでもかんでも値上げ値上げの昨今。多くの企業が値上げを実施しているが、その一方で、上げ幅を下げるためにステルス値上げに踏み切っている会社も少なくない。
しかし、単純な値上げよりも巧妙な方法であるステルス値上げは、顧客にとっては不誠実な行為と見えてしまい、場合によっては純粋に値上げをするよりも悪影響を及ぼす場合もあるのだ。引用の言葉を借りれば「既存の顧客や消費者の気持ちを犠牲に」する行為だからだ。
話を戻すと、セブンは最近、スムージーや宅配ピザ、ドーナツなど新商品をどんどん投入している。これ自体、コンビニが生き残るために必要で、素晴らしいことだ。
しかし一方、これまで売られていたおにぎりやお弁当においては、やや言い方はキツくなるが「ファンをだますような手段を取っている」と受け止められても仕方がないのではないか。
もちろん、そのような意図は会社側にはないだろう(し、ないと信じたい)。しかし今回、ここまでセブンに対する厳しい意見が見られたことを踏まえると、「そのように消費者に感じさせていること」そのものを認識しなければならないだろう。
ドーナツにせよスムージーにせよ、新しい顧客の獲得手段なのだろうが、それらに注力するあまり、旧来の忠実なお客さんを無視している(ように見えてしまっている)のが今のセブンなのだ。
「ファンを大切にする」という大切さ
「グレイトフル・デッドはアーティストだからファンが大事だけれど、セブンはコンビニ。そもそもその2つを比べるのは無理があるんじゃないの?」と思った方もいると思う。
しかし、近年のコンビニ業界を見ていると、それぞれのコンビニに愛着を持つ「ファン」を作り、彼らを大事にすることが重要だと思えてくる。
というのも、コンビニの数は現在、飽和状態にあるからだ。日本フランチャイズチェーン協会が発表した2024年8月の国内コンビニ店舗数は5万5730店舗で、前年同月より0.1%(80店)減っている(前年同月は5万5810店舗)。微減ではあるのだが、前年を下回るのは、2022年6月から26カ月連続。数の面ではほぼ天井に達している。
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