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補聴器と何が違う?「AirPods」聴覚サポートの特質 アップルが示した革新的アプローチを徹底解説

東洋経済オンライン / 2024年10月21日 22時0分

2024年秋、Appleから発表されたAirPods Pro 2における聴覚のサポートは補聴器なのか、それとも集音器なのか?(写真:アップル)

アップルが提供する聴覚サポートとは

2024年秋のスペシャルイベントで発表された中で、アップルは健康サポートに関するいくつかの機能を発表した。1つは睡眠時無呼吸症候群の発見を助けるための機能で、こちらはApple Watch Series 10に搭載される。

【写真で見る】iPhoneとAirPods Pro 2で聴覚テストを実施、結果に応じて音をカスタマイズして聞こえやすくする

もう1つはAirPods Pro 2における聴覚のサポートで、聞こえにくい音を聞き取りやすくする補助機能が追加で提供されるとアナウンスされた。英語でのスピーチをそのまま翻訳すると、「補聴器」となるため大きな話題になったが、日本では聴覚を補助する機器には区分があり、補聴器なのか、集音器なのかといった議論もあった。

結論から言えば、アップルが取得したのは“ソフトウェアとしての認可”である。

アップルは聴力をテストするソフトウェアを開発し、オージオグラム(聴力感度の特性グラフ)を作成するソフトウェアとしての認可を受けた。さらに計測したオージオグラムを基に、聴覚を補正するソフトウェアも開発、これを自社のイヤホン「AirPods Pro 2」に反映した。

結果として聴覚を補正するデバイスとして、AirPods Proが利用できることは確かだ。高価な補聴器を用いなくとも、聴覚に対して自信のない人が、より聞きやすい補助を受けることが可能になる。

また、聴覚の違いによる音楽や映像作品の音声等の聞こえ方に関して、ユーザーを補助する機能もある。これは医療的な目的とは少々異なるかもしれないが、エンターテインメントをより楽しめるという意味でユーザーにとって決して小さな意味のものではないと思う。

一方で、従来のような補聴器の概念とは異なる面も多い。

そもそも、これは軽度、もしくは中程度の難聴を補助するもので、それ以上のものではないとアップルも明言している。

なお、この機能を利用するためにはiOS 18以降に対応するiPhone、またはiPadOS 18以降に対応するiPadに加え、AirPods Pro 2が必要だ。アップデートは近日を予定している。

その1「ヒアリングチェック」

1つ目は“純音聴力検査”を実施するヒアリングチェック機能。

名前だけを聞くと、いかにも難しそうに感じるが、健康診断などで行われる基本的な聴力テストを行うものだ。

まず、周囲が十分に静かであることを確認した上で、イヤーチップの密閉性を確認。特定周波数の音が聞き取れたことを伝える機能を組み合わせることで、聴力をテストする。

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