木村石鹸「非効率な」固形石鹸づくり再開の物語 一度やめたものを復活させるのは大変だった
東洋経済オンライン / 2024年10月23日 10時20分
石鹸や洗剤の製造を手がける木村石鹸(本社・大阪府八尾市)は大正13年創業。今年、100周年を迎えたのを機に、創業時にしばらくの間だけつくっていた固形石鹸の製造を復活させました。それは、4代目社長・木村祥一郎さんによる素朴な疑問「社名に"石鹸"がつくのに、固形石鹸をつくっていないだなんて!」から始まります。その復活ストーリーを木村さんの著書『くらし 気持ち ピカピカ ちいさな会社のおおらかな経営』より抜粋し、ご紹介します。
この記事のシリーズ
【1本目】「仕方なく」家業を継いだ男性に起きた心境の変化
【2本目】木村石鹸「自己申告型給与制」に込めた会社の願い
【3本目】「万人向けでない」と明言のシャンプー人気のなぜ
非効率、でも大切なこと
社名に 「石鹸」がつくのに、固形石鹸をつくっていないだなんて!
【写真】ちょっぴりポップで楽しく、100年の伝統も感じられるデザインにした固形石鹸
創業当時は製造していた固形石鹸。戦後、2代目が木村石鹸を再開させたときも、しばらくは製造していたようです。しかし、大手が大きな設備投資をして、どんどん生産量を拡大していくと、固形石鹸は安価で手に入りやすいものになっていきました。
戦後、ドラム缶ひとつを釜代わりにして石鹸づくりを再開した木村石鹸は、お金もなく、設備投資も満足にできませんでした。そのため製造品目を絞らざるを得ず、大量生産のために、大規模な設備が必要な固形石鹸の製造からは撤退しました。
僕が木村石鹸に戻ったとき、最初に覚えた違和感は、石鹸屋なのに固形石鹸を製造していないことでした。
社名を伝えると、ほとんどの人は「石鹸=固形石鹸」をイメージします。実際、「実は固形石鹸はつくってないんです」と僕が言うと、不可解な顔をされ、 「石鹸屋さんなのに? じゃあ何をつくっているんですか?」と聞かれます。
【写真】試行錯誤をして復活させた固形石鹸づくりの様子など(7枚)
「石鹸は原料の名称で、石鹸には液体も粉末もあって……」と説明しても、大半の人には、その意味が伝わりません。そもそも石鹸自体にそんなに興味もないので、 「(よくわからないけど)ふーん」で終わります。
そんな場面に遭遇するたびに、 「石鹸」のフォーマットとして、もっとも多くの人になじみのある「固形」をつくっていないのは、石鹸屋としては足りていないのではないかと感じるようになりました。
屋号に「石鹸」という言葉が入っている以上、石鹸の可能性を広げ、石鹸について誰よりも詳しく、誰よりも石鹸をちゃんと使いたい! そこで、2024年に創業100周年を迎えるのを機に、「固形石鹸を復活させよう」と決断しました。
なんとかなるはずが、なんとかならなかった
この記事に関連するニュース
-
“キムタクそっくり”芸人が、木村拓哉の前でものまね披露…そのときキムタク本人が見せた“厳しい反応”「受け入れられている雰囲気ではなかった」
文春オンライン / 2024年11月17日 11時0分
-
「70歳になっても、俺はキムタクだって言い張る」SMAP公開謝罪→解散後も“キムタクものまね”を続ける“木村拓哉そっくり”芸人の生き様
文春オンライン / 2024年11月17日 11時0分
-
2歳児の言葉で「売れる」と確信した…過去3度大失敗した花王が日本初「家庭用の泡ハンドソープ」を発明するまで
プレジデントオンライン / 2024年11月14日 16時15分
-
ボディソープは「液体タイプ」派という友人。私は「泡タイプ」が好きですが、どちらがコスパがよいですか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月12日 2時10分
-
誰もが虜になる!?美容成分を限界まで配合した『生せっけんsoippu』を、石鹸累計販売450万個突破の豆腐の盛田屋より発売!マイクロ濃密泡で感動の洗顔体験を。
PR TIMES / 2024年10月31日 10時15分
ランキング
-
1クリスマスケーキに異変…『卵』の価格高騰止まらず 夏の猛暑の影響で今後は鳥インフルエンザによる卵不足の恐れも
東海テレビ / 2024年11月21日 21時22分
-
2業績悪化の日産、アメリカでの希望退職に1000人が応募か…世界で9000人削減方針
読売新聞 / 2024年11月21日 22時2分
-
3食用コオロギ会社、破産へ 徳島、消費者の忌避感強く
共同通信 / 2024年11月22日 1時18分
-
4さすがに価格が安すぎた? 『ニトリ』外食事業をわずか3年8カ月で撤退の原因を担当者に直撃「さまざまな取り組みを実施しましたが…」
集英社オンライン / 2024年11月21日 16時49分
-
5為替相場 22日(日本時間 8時)
共同通信 / 2024年11月22日 8時0分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください