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そこそこ健康な89歳「共同生活を選んだ」深い理由 老人ホームやシェアハウスとも違う「終の住処」

東洋経済オンライン / 2024年10月27日 12時0分

夕飯時には住人全員が集う、おでんせの食堂。右から理事長の小森祥子さんとオーナーの藤井康雄さん(撮影:尾形文繁)

これから人は100年生きるという。しかし、お金や健康、孤独に対する不安がなく老後を迎えられる人はどれくらいいるだろう。年を取ることが怖いーー。

多くの人が漠然とした不安を抱く中、老後の人生こそ謳歌している人もいる。その元気は、気力は、生きがいは、いったいどのようにして手に入れたのか。

本連載では、“後期高齢者”になってなお輝いている先達に、老後をサバイブするヒントを聞きます。

80歳で見つけた「終の住処」

令和6年版高齢者白書によると、60歳以上で現在、または将来的に住み替えを考えている人は全体の3割に上っている。理由の上位は「健康・体力面で不安を感じるようになったから」、「自身の住宅が住みづらいと感じるようになったから」に続き、買い物や交通の便の不便さが続く。

【写真】“そこそこ健康な高齢者”の気ままな共同生活!? 小森さんが見つけた「超理想的な住まい方」(10枚)

24歳から幼稚園教諭として働き始めると同時に一人暮らしをスタートさせた小森祥子(よしこ)さん(89歳)が、持ち家のマンションを売却して終の住処へ住み替えしたのは80歳のとき。一人暮らし歴56年、独身人生6回目の引っ越しだった。理由はやはり、「健康・体力面での不安」の類になる。

小森さんが終の住処に選んだのは神奈川県川崎市にあるグループリビング、「おでんせ中の島(以下、おでんせ)」。ここに決めるまで3年の年月がかかった。

決め手は、「一人暮らし+共同生活」というグループリビングの生活スタイルだ。個室でプライバシーが守られたうえで、一つ屋根の下に居住者同士の人のつながりがある。

【写真】“そこそこ健康な高齢者”の気ままな共同生活!? 小森さんが見つけた「超理想的な住まい方」(10枚)

オーナーの藤井康雄さん(82歳)から「一人暮らしの高齢者が自立しながら、仲間と健康で心豊かに共生する」というポリシーの説明を受け、即断。契約を交わした。

内覧もせず、しかも、「実はおでんせに出会うまで、グループリビングなるものは、まったく知りませんでした」と笑う。

グループリビングとは、おおむね60歳以上の健康な高齢者が10人程度集まり、独立した居室で暮らしながら、共有スペースで共に食事をしたり、施設運営に参加したりしながらゆるやかなつながりの共同生活を営んでいく住まい方のこと。

1996年から旧厚生省も「高齢者グループリビング支援モデル事業」をスタートさせたが、助成金の指定条件が限定される面もあり、運営主体の主流は民間の非営利組織や個人オーナーが多い。

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