ワタミの日本サブウェイ買収で克服できる「弱点」 日本で3000店舗の展開に役立つワタミの強み
東洋経済オンライン / 2024年10月27日 8時20分
居酒屋のワタミがファストフードに進出します。10月25日、ワタミはサンドイッチチェーン世界最大手のサブウェイの日本での経営に参画することを発表しました。サブウェイの日本法人を買収したうえで、マスターフランチャイズとして日本において新たなフランチャイズを独占的に展開できる契約を結んだものです。
【写真を見る】サブウェイの注文がセルフでできるようになりつつある
ワタミにはファストフード運営の経験が少ないことに加えて、以前、ブラック労働が問題になったこともあり、サブウェイファンの間には多少なりとも不安を感じる人がいるようです。一方で成長という観点では、ワタミにとってだけではなくサブウェイにとっても今回の判断は良い結果を生む可能性が高いと思われます。これから何が起きるのか、予測してみたいと思います。
渡辺美樹氏20年かけて3000店舗を目指す構想
サブウェイは世界に4万4000店の店舗を構える世界最大級のサンドイッチチェーンです。この記事ではファストフードチェーンとして取り上げますが、彼らは自分たちのことをファストフードだとは考えていないようです。というのはサンドイッチといっても作り置きではなく、提供スタイルは店頭でホットドッグのバンズをさらに長くしたようなパンに、好きな具材を選んでその場で作ってもらうというゆっくりとしたスタイルだからです。
その具材は野菜を中心にエビやチキンなどヘルシーなものが中心で、結果としてヘルシー志向の女性客からの高い支持を得ています。
本国ではマクドナルドよりも店舗数が多いと言われるサブウェイですが、日本では2014年に店舗数が約480店舗に達したあたりがピークで、その後、減少に転じ、コロナ禍を経て現在は国内178店舗です。
しかしワタミの渡辺美樹会長兼社長は日本事業買収を発表する記者会見で、「日本で3000店を出せるブランドはサブウェイしかない」と述べて、20年かけて3000店舗を目指していく構想を明らかにしました。成長余地が大きいと考えているのです。
根強いファンが多くいる一方で、日本市場では伸び悩んでいるサブウェイですが、戦略コンサルタントとしての視点で見て、私はこのタイミングでのワタミが運営に参画することは非常に面白いと思っています。そのことを3つの切り口から解説したいと思います。
理由1:オーダー方法という弱点の克服
世界的に人気のサブウェイが日本での成長がなぜ限定的だったのでしょう。専門家の間では2つ要因があるとされてきました。そのうちのひとつが、本来サブウェイの強みである「その場でオーダーできる健康的なサンドウィッチ」というコンセプトそのものにありました。
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