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ワタミの日本サブウェイ買収で克服できる「弱点」 日本で3000店舗の展開に役立つワタミの強み

東洋経済オンライン / 2024年10月27日 8時20分

というのもパンの種類がそもそも4種類、サンドウィッチの中身の種類が20種類あるうえに、有料のトッピングも10種類あります。さらに野菜を頼めば増量してもらえるなど注文方法に柔軟なカスタマイズができるのです。

この本来強みになるはずのオーダーの仕方が実は初心者やライトユーザーにとってはマイナスになったようです。日本人は食の好みが多様であることから本当はこういったカスタマイズ方式は喜ばれるもののはずなのですが、この方式があるせいでサブウェイを避けたいという人が一定数出てきたのです。この現象は実はこれからお話しするサブウェイのもうひとつの弱点と重なっておきます。

もうひとつの弱点とは、サブウェイは一般のファストフードとは違い、需要がランチタイムに集中する傾向があるのです。ランチタイムで後ろに行列ができている状況で、メニューを見ながらオーダーを考えるのをそれなりにプレッシャーだと考える利用者は少なくなく、結果としてお店から足が遠のくケースが出ていたのです。

ところが近年、この弱点が克服されつつあります。その理由が飲食店全般で普及が進んできたスマホによる事前オーダーにあります。サブウェイでもセルフオーダーに慣れた顧客が増え、余裕をもってカスタマイズを選び、注文したサンドイッチをピックアップする形にユーザーインターフェイスが変化しています。

セルフオーダーからスマホでの事前オーダーに進化していけばこれまでは強みでも弱みでもあったサブウェイの注文方法は、主に強みだけに変わります。その意味ではよいタイミングでワタミはサブウェイの経営に参画したのだと考えられるのです。

理由2:日本市場のパートナーの必要性

日本サブウェイの歴史を見ると、実は当初の参入の方法も悪くはなかったと考えられます。1992年に日本に参入した当時は、日本サブウェイにはサントリーが出資してマスターフランチャイズ契約も締結していました。

そして当初、サブウェイはアメリカと同じメニュー展開をしていたのですが、サントリー側の提案で徐々にメニューは日本市場に適応したものに変わっていきます。たとえばパン生地には北海道産の小麦が使われ、「てりやきチキン」や「えびアボカド」のように日本人が好むメニューが開発されてきました。

このサントリーの経営参画が終ったのはアメリカ本社側の事情でした。当時、世界戦略として海外展開を現地パートナーに委ねる形から本社が一元管理をする方向へと転換をしたのです。この方針に沿って2016年にサントリーも契約満了に伴ってフランチャイズ契約を解消されたのです。

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