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オードリー・タン氏実践「睡眠記憶法」の超合理性 睡眠の効能を最大限活用する徹底した工夫

東洋経済オンライン / 2024年10月30日 14時0分

オードリー・タン氏は「たっぷり睡眠をとれば、目覚めるたびに脳にスペースが生まれ、新しい情報を取り込めるのです」と語ります(写真:ロイター/アフロ)

台湾のデジタル相も務めたオードリー・タン氏は、多忙な中でも8時間の睡眠を確保し、その睡眠を膨大な情報を処理し記憶する時間として活用しているそうです。同氏の実践する「睡眠記憶法」とはどのようなものか、約2年ぶりの最新刊『オードリー・タン 私はこう思考する』よりピックアップして解説します。

※本稿は『オードリー・タン 私はこう思考する』から一部抜粋・再構成したものです。

毎日8時間の睡眠を確保する

オードリーは自分の体をよく理解している。毎日8時間は睡眠をとらなければ、翌日、精力的に仕事をこなすことや、一人ひとりの話を理解することが難しくなるという。ハイパフォーマンスの仕事は、十分な睡眠なしにはありえないのだ。

2時間しか眠れなかった日は、40分どころか4分も話を聞かずに意識が朦朧としてくる。「たっぷり睡眠をとれば、目覚めるたびに脳にスペースが生まれ、新しい情報を取り込めるのです」。

毎朝7時に起きるオードリーが8時間の睡眠を確保するためには、前日の夜11時までに眠りにつかなくてはならない。さらに、眠る前と目覚めたあとには自分のためだけに過ごす時間が必要なので、毎日およそ10時にはベッドに入り眠る準備をしている。

仕事面も感情面も完全にリセットされた状態で眠りにつき、すがすがしい気分で新しい1日を迎えるために、就寝前に必ず次の4つを実践する。

➀夜10時を過ぎたらスマホを切る。サイレントモードやバイブレーションに切り替えるのではなく、電源からオフにする。就寝前は意思が弱くなるため、無意識にスマホをいじり続けてしまい、寝るのが遅くなりがちだ。

➁眠る前にすべてのメールボックスとタスクリストを空にし、発信すべき情報はすべてネットにアップロードしておく。

➂翌日に使用する大量の資料や書籍を30分かけて読む。小説ではなく、論文のように事実が整然と記された、知識を得るための文章が中心だ。1ページにつき2〜3秒のペースで読んでいくので、30分で600ページほど読み終える。読むべき資料が多い場合は1時間長く眠る。眠っている間に情報を消化し、翌朝目覚めたときには前の晩に読んだ資料をすべて記憶している。

➃20分間の座禅を組んで、今日1日のストレスを洗い流す。よい感情も悪い感情も一緒に解き放つことで、前日の感情を翌朝まで引きずらなくなる。体内の感情をゼロリセットすれば、すっきりした気分で朝を迎えられる。これは、4歳か5歳のころに両親から教わって以来の習慣だ。

夜に取り込んだ情報を眠っている間に消化する

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