和田秀樹「学歴ではない本当に頭がよい人の特徴」 日本人は頭のよさを固定的なものだと思っている
東洋経済オンライン / 2024年10月31日 18時0分
年齢を重ねるほど体も脳も衰えていくものだという考え方が一般的でしょう。だからこそ、この年齢からでも頭がよくなるということに、疑わしい思いを持つ方も多いかもしれません。
もちろん、体や脳の機能が加齢とともに衰えていくことは事実です。けれど、高齢になっても体を鍛えれば筋力や体力がつくのと同じで、脳も鍛えることで、どんどん賢い人になることができるのです。
ここで着目したいのが、脳の「前頭葉」と呼ばれる領域です。
前頭葉は、人間の感情をコントロールするとともに、自発性、意欲、クリエイティビティなどの分野を司る部位です。
言語理解などを司る側頭葉や、計算理解などを司る頭頂葉といった部位の機能が、高齢になっても比較的衰えにくいのに比べ、前頭葉は、早い人では40代から縮んでしまうことがわかっています。
つまり医学的に見て、多くの場合、人の脳は前頭葉から老化していくということです。
前頭葉は感情や意欲、創造性を担う部分ですから、このエリアの働きが悪くなると、感情のコントロールができなくなったり、感性が乏しくなったり、あるいは意欲や積極性が低下してしまったりということが起こります。
公共の場で怒りを噴出させている高齢の方は、前頭葉の機能が衰退してしまっている状態だと考えられます。
このような感情部分の衰えを皮切りに、やがて脳のほかの機能や体、そして見た目も老いていってしまうのです。
脳も「どの部位を鍛えたいか」を意識する
反対に言えば、前頭葉を活性化させ、鍛えることで、人は若々しく、賢くいられるということです。それは体や見た目の老化の停止にもつながっていきます。
たとえばお腹まわりをスッキリさせたいと思ったら、腹筋運動を頑張るのが効果的ですよね。それと同じく、脳も「どの部位を鍛えたいか」を意識し、それに合った行動をとることが大切なのです。
もちろん、読書をしたり、計算ドリルをしたりするのもよい習慣だと思います。ただ、「前頭葉を鍛える」ということに関しては、これらの行動は残念ながらあまり効果を発揮しません。
感情面を司る前頭葉の若さを保つためには、わくわくしながら前向きに生き、脳によい刺激を与えることが大切です。
後ろ向きな思考をしていては、前頭葉は萎縮し、老化へと一直線でひた走っていくことになってしまいます。「人生、意外となんとかなる」と開き直って明るく生きてこそ、脳も生き生きと働き出すのです。
そして、常識や前例にとらわれず、新しいことに挑戦し続けることで、前頭葉はどんどん活発に働くようになります。だからこそ、毎日を実験するようなつもりで、「まだ知らなかった自分に出会う」ということを大切にしていただきたいと思います。
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