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米大統領選で注目「ふたつのジェンダーギャップ」 ハリスとトランプのどちらに有利に働くのか

東洋経済オンライン / 2024年11月2日 17時0分

無党派は選挙に行く可能性が低いのですが、それでも共和党寄りは共和党候補に、民主党寄りは民主党候補に、投票所に連れていけば入れます。無党派の共和党寄りが民主党候補に入れるケースは極めてまれです。その逆もそうです。

ただ、トランプの場合、これまでの共和党の主流だった人たち=あえていえば残党といってもいいのですが=からは強い反発があります。その人たちはトランプの外交政策に反対であるニッキー・ヘイリーを応援した人たち、あるいは反トランプの保守系団体「リンカン・プロジェクト」の人たちです。

2012年のトランプの前の共和党の大統領候補はミット・ロムニーでした。トランプから言わせればロムニーは「リパブリカン・イン・ネーム・オンリー(RINO)」で、「名ばかりの共和党員」です。「RINOの方が民主党よりもたちが悪い」とトランプは強調しています。

ロムニーは民主党大会に呼ばれるのではないかといわれていました。噂では、最終日にスペシャルゲストとして、ビヨンセかテイラー・スイフトかロムニーの名前が挙がっていました。結局登壇しませんでしたが、このようにロムニーのような、わずかな数の過去の残党のような人物がハリスにつくのです。

ジョージ・W・ブッシュ政権の副大統領でかつては民主党支持者が最も嫌っていたディック・チェイニーが強いハリス支持、トランプ批判で話題となりました。ブッシュやブッシュ家のほとんどの人たちもハリスにいれるでしょう。ただ、既に共和党は「トランプ党」なので、ロムニー以前のリーダーたちは過去の遺物です。言葉遊びではないですが、共和党支持者にとっては「異物」といっていいかもしれません。

――ロムニーやブッシュがハリスに共鳴する部分はどこなのでしょうか?

前嶋氏 国際協調路線です。ブッシュは「思いやりのある保守主義」でした。ブッシュはあまりスペイン語が話せませんが、ヒスパニックの人たちを取り込むために、演説でスペイン語を話すようにしていましたし、スペイン語のCMも多用しました。トランプが同じことをやるとは全く想像できません。

それに、ブッシュには移民排斥的なところは全くありませんでしたので、トランプが許せないところがあると思います。一方、トランプにとってはロムニーやブッシュは「ディープステート」(影の政府)そのもので、叩きのめしたい存在です。オバマもそうですが、トランプもイラク戦争などのテロとの戦いを進めたブッシュを批判しています。

「銃撃事件」が与えた影響はほとんど消えた

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