米大統領選で注目「ふたつのジェンダーギャップ」 ハリスとトランプのどちらに有利に働くのか
東洋経済オンライン / 2024年11月2日 17時0分
――トランプ銃撃事件がありましたが、トランプの政治姿勢に何か影響を与えたのでしょうか?
前嶋氏 ほぼないといっても間違っていません。トランプを銃撃した犯人はトランプでもバイデンでも、どちらを銃撃してもよかったのです。たまたまトランプが近くに来たので狙っただけです。党派的な背景はありません。
今回の大統領選挙では、実はここまで「確トラ」「ほぼトラ」だったタイミングはたった一瞬もありません。トランプの場合、岩盤支持層は離れませんが他の支持は得にくく、決して強い候補ではないです。
トランプはけっして「強い候補」ではない
そもそも、今年の選挙戦でトランプがバイデンを世論調査で上回ってもせいぜい3ポイント程度でした。
2020年選挙ではバイデンは常に約5〜10ポイントはトランプに対してリードしていたのと大きな差です。今年はバイデンもその勢いがなく、トランプもバイデンも「弱い候補」として並んでいました。討論会も銃撃事件も共和党大会も選挙戦の情勢にほとんど影響を与えていません。
確かに、共和党支持者を短期的に固めるには効果はあったかもしれませんが、それだけです。
バイデンの「失態」が問題になったトランプとバイデンの討論会のときは3ポイント程度の差が出ましたが、それから逓減し、トランプの銃撃でまた上がり3ポイント差。
それからやや減り、共和党大会のときもトランプとバイデンの差は再び3ポイント程度となりました。3ポイントリードで、「ほぼトラ」とか「確トラ」というのは笑止千万です。
トランプは、選挙という観点では「弱い候補」です。自分の支持層しか固められません。トランプが撃たれて立ち上がったポーズを見て、トランプが強いリーダーと思うのは、もともとのトランプ支持か、無党派層の共和党寄りの人たちに少しいるぐらいです。
前嶋 和弘:上智大学教授
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