ウクライナ戦禍逃れた20歳が未来を模索する拠点 来日して「ひとり暮らし」、立ち止まらず前へ
東洋経済オンライン / 2024年11月4日 7時45分
だが、マックスさんは早々にスターバックスでアルバイトを始め、現在も暮らす葛飾区の部屋でひとり暮らしを始めた。来日して半年程、とにかく「日本に慣れる」ことに集中した。
「そのスターバックスで働いている外国人は僕だけなので、目立つ存在でした。常連さんたちが頻繁に話しかけてくれて、日本に馴染むきっかけになったと思います。同年代の友達もできて、コミュニティの一員になれました。
その頃は日本語学校に通っていたのですが、先生の勧めで松戸市国際交流協会の日本語スピーチコンテストに参加し、『笑顔になりましょう』というスピーチで、2位に入賞しました。当時は日本語もどんどん上達していたと思います」
その後、マックスさんは日本語力を活かして、モノグサ株式会社の広報部でインターンとして働くこととなった。来日してからというもの、非常にスムーズに日本社会に順応しているように見えるが、それは簡単に成し遂げられることではないだろう。
「努力しています。今は日本語学習に加えて、PRプランナーの勉強をしています。すでに1次試験は通過しているので、今後は2次、3次試験の突破を目指してステップアップしていくつもり。ウクライナの大学のオンライン授業も受けていますし、部屋にいるときはのんびりする暇はないです。
座学だけでなく、人脈を広げるためにさまざまなイベントに参加したり主催したりもしています。毎日忙しいですが、今は前に進んでいたいので、休みたいという気持ちにはなりません」
マックスさんにとって、この部屋は休息の場所ではなく、日本で得た時間をフル活用するための拠点。休む間もなく学び、活動の場を広げる彼を駆り立てるのは、やはりウクライナへの思いだ。
ウクライナでは、誰もが戦争の話をしている
マックスさんは社交的で、友達が多い。SNSには友人と楽しそうに過ごす写真がアップされているし、部屋には友人からのメッセージカードや一緒に旅をした思い出の品が大切に飾られ、インテリアに温かみを添えている。
「友人たちからは『マックスは気遣いの人だ』と言われることが多いですね。相手をよく観察し、その気持ちを汲み取って配慮するのが得意ですし、人と人をつなげるために積極的にコミュニケーションを取ることも好きです」
コミュニケーション上手なマックスさんには、広報の仕事は適職だ。しかしそんなマックスさんも、ウクライナと日本の状況にギャップを感じて苦しんだことがあるという。
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