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ウクライナ戦禍逃れた20歳が未来を模索する拠点 来日して「ひとり暮らし」、立ち止まらず前へ

東洋経済オンライン / 2024年11月4日 7時45分

実はマックスさんは20歳を迎えた頃から、進むべき道が見えなくなってきた面もあるそうだ。

「昔は世界的に有名な芸能人になりたいという漠然とした夢があったんですけれど、今は単純に有名になりたいというよりは、世界にどんな影響を与えるかが、大事だと思うようになりました。そこで迷いが出てきたんです。

有名になることだけが、世界に影響を与える立派なこととは限らない。無名でも立派なことを成し遂げている人がいることも、わかってきました。
今は若いし、エネルギーがあるので『この世界を覆したい!』というくらいの、気概があります。でも30歳になっても同じように思うかどうか……」

彼は言いよどむ。その背景には、父親の存在があった。

「僕と父は、見た目も性格もそっくりです。その父が『30歳になる頃には自分の生きる意味をつかみ、腰を落ち着けて何かに取り組もうという気持ちになるよ』と言いました。

父の場合は僕という存在がいて、僕にすべてを注いできた。

20歳の今は、世界を変えるために貢献したい、という気持ちがありますが、父親のように家族を作って、そのために生きる可能性もあります。いずれにせよ、60歳になったときに自分の生き方に満足できるようにしたい。今はそのための道を考えているところです。

とはいえ立ち止まったりはしません。僕は日本に来て2年半で、高度な日本語を話せるようになったし、人脈もできました。それだけのことをやり遂げた自分のポテンシャルを信じて、目の前のことをやっていくだけですね」

20歳の若者の目には、未来が映っている。

挑戦と成長を繰り返す中で、自分の進むべき道を探し続けるマックスさん。その部屋にあるのは、最低限の実用品のほかは彼にとって切実な意味が宿った象徴的なアイテムのみ。彼が暮らすのは、今の彼を支え、未来に備えるためのシンプルなベースキャンプのような部屋だった。

【写真】部屋に飾っているものなどからも、マックスさんの人柄がわかる(13枚)

少ないアイテムに思いのこもったマックスさんの部屋

蜂谷 智子:ライター・編集者 編集プロダクションAsuamu主宰

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