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「カンブリア宮殿」放送開始18年経ても快走のナゾ 一時の勢いだけでは「企業も経営者も取り上げない」

東洋経済オンライン / 2024年11月7日 11時30分

ちなみにこれまで『カンブリア』に登場した経営者の中で印象に残っている言葉は、ウォルト・ディズニー・カンパニーCEOのロバート・A・アイガー氏の「過去は敬うが、崇拝はしない」だという。さまざまな利害や歴史が存在する組織の中で見出した仕事の極意が、そこから見えてくるのだという。

「視聴者はいったい何を知りたがっているのか」

『カンブリア』といえば、美術監督の種田陽平さんが手掛ける豪華で壮大なセットも目をひく。遺跡のような初代セットから始まり、現在は未来感あるホテルラウンジ風の4代目セットに進化を遂げた。このセットにも他のトーク番組と一線を画す番組サイドのこだわりがある。

「演出の一環として豪華で壮大な空間のセットで収録を行うことで、特別感を視聴者にも感じてほしいと思っているんです。ゲストとして出演していただく経営者へのリスペクトの思いも込めています」(鈴木氏)

ひとりの人物に密着するテレビ番組の場合は、撮影が短時間では終わらず、長期密着になるケースも多い。では実際にどのようにして番組制作は行われているのだろうか?

「取り上げる企業や経営者によってバラツキがありますが、実際に企業に打診して接触して、リサーチをして、取材を開始してから完成までの平均を取ると1回放送分で大体、3~4カ月くらいかけています。

番組開始当初から我々が大事にしているのは『視聴者が何を知りたがっているのか』という視点です。企業や経営者自身が伝えたいことや見てほしいこととはズレや違いはあったりしますが、そこは丁寧に『見る人は、ここを知りたがっていると思いますよ』と説明をして、互いの一致点を見つけ、信頼関係を築き上げていくようにしています」(鈴木氏)

では『カンブリア』の制作者たちはどのようにして「視聴者目線」を把握しているのか。

「テレビ制作者である我々も一消費者、ひとりのユーザーなんです。だからといって独りよがりで『自分が知りたいから』というよりは家族や友人、知り合いの意見を参考にして、身近な人が何に関心を持っているのか、日常生活を送る中でヒントを得ています」(鈴木氏)

番組内容は長年ブレずに変わっていない

番組が始まって18年。『情熱大陸』(MBS・TBS系)や『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK総合)といったヒューマンドキュメンタリー番組は歴史を重ねて、番組の色を少しずつ変えていったが、私が思うに『カンブリア』だけが番組開始から内容がブレずに変えていない。

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