「本心」描く"故人を蘇らせるAI"は実現可能なのか 母親が蘇って、知らなかった側面が明らかに
東洋経済オンライン / 2024年11月8日 12時30分
“自由死”を望んだ母の“本心”を知りたいと思った青年は、生前の母のパーソナルデータをAIに集約させ、仮想空間上に“人間”をつくる、VF(ヴァーチャル・フィギュア)という技術を使って、母を蘇らせることを決意する。完成した母との日々の暮らしで、彼はたわいもない日常を取り戻していくが、VFは徐々に“知らない母の一面”をさらけ出していく――。
平野啓一郎の同名小説を、石井裕也監督、池松壮亮主演で映画化した「本心」(TOHOシネマズ日比谷ほかにて全国公開中)は、技術が発展し続けるデジタル化社会の功罪を鋭く描写するヒューマンミステリーだ。共演には、田中裕子、三吉彩花、水上恒司、仲野太賀、田中泯、綾野剛、妻夫木聡ら豪華キャストが勢ぞろいしている。
そこで今回は、本作のAI監修を務めた理化学研究所の清田純氏に、本作が描き出すAI技術のリアリティー、そしてその実現可能性などについて聞いた。
ChatGPTが誕生する前に予言していたこと
――この映画でAIの監修を務められたわけですが、主にどのようなところを監修されたのでしょうか?
本作に関しては、台本が出てきた時点で、専門家から何か言うことはほぼないくらいの完成度でした。まず、この原作が、ChatGPTが登場する前の2019年から2020年に書かれたというのがすごいこと。ほとんど当たっていますからね。
だから僕が実際関わった部分としては、例えば、VR、AR、MRの技術的な違いを整理してその違いを共通認識にするなど、技術的な情報の整理を行ったということです。
――生前のパーソナルデータをAIに集約させて、仮想空間上に"人間"を作るVF(ヴァーチャル・フィギュア)という技術で、亡くなった母親をよみがえらせるというのが本作の物語の骨子となるわけですが、そもそもこの技術は実現可能なものなのでしょうか?
この原作が書かれた2019~2020年の時点ではSF的な要素もいくつかあったはずなのですが、この数年間で技術が急激に進化し、原作の世界に追い付いてきました。だから原作が登場した時点で感じるSFっぽい感覚と、2024年に映画で見たときにおけるリアルな感覚とでは、違いがあるのではないかと思います。
中国ですでに、生成AIにより亡くなった方を再現するサービスが提供されているように、実現に必要な要素技術は出揃っていると言えます。
この記事に関連するニュース
-
三吉彩花、感情が「ぐちゃぐちゃになりながら向き合った」『本心』で演じた“三好彩花”役とは
cinemacafe.net / 2024年11月13日 16時0分
-
『本心』三吉彩花インタビュー!「心が削られる役。芝居のために私のコンプレックスと向き合いました」
オールアバウト / 2024年11月10日 20時45分
-
三吉彩花「嘘をついて生きたくない」本心と向き合って見えた本当の自分
シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年11月8日 7時12分
-
池松壮亮、21年ぶりに再会した大物俳優とは「久々に子どもに戻った気分でした」
マイナビニュース / 2024年11月6日 8時0分
-
池松壮亮・三吉彩花・水上恒司・妻夫木聡が“本心”を語るスペシャル座談会【動画あり】
ORICON NEWS / 2024年10月30日 9時44分
ランキング
-
1ナッツを食べると認知症予防になるのか…理想は1日30g
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月24日 9時26分
-
2小泉孝太郎がやっている「納豆の最高においしい食べ方」 タレ半分、“あるもの”をたっぷり
Sirabee / 2024年11月22日 16時15分
-
3「既婚者よりも経済的に余裕がある」だけじゃない…末期がんの医療ジャーナリスト(59歳)だから気づけた「独身がん患者」のメリット・デメリット
文春オンライン / 2024年11月24日 6時10分
-
4冒険をあきらめる“元少年”が続出…36年ぶり『ドラクエ3』にあらわれたモンスター以上の“難敵”
週刊女性PRIME / 2024年11月20日 6時30分
-
5品川イオンスタイル「最強フードコート」の実態 太っ腹にも程がある?自由すぎる食のスポットだ
東洋経済オンライン / 2024年11月24日 12時0分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください