「フロンクス」対「WR-V」インド生産SUV徹底比較 手頃な価格設定と扱いやすいサイズ感が魅力的
東洋経済オンライン / 2024年11月9日 9時20分
両モデルのドライビングポジションだが、WR-Vはヒップポイントが高く、SUV的な感覚が強い。対するフロンクスは、セダン的でスポーティな着座姿勢となる。前方視界も、WR-Vは高い位置から見下ろす形になり、広々と開放的な印象だ。対するフロンクスは、低いルーフ位置などもあり、WR-Vと比べるとやや狭い印象。どちらかといえば、スポーツカーに近い視界だといえる。
ただし、WR-Vは、フロントボンネットの左右にある大きめの膨らみが視界に入るため、車体が実際のサイズよりも大きく、ワイドに見える。人によっては、狭い路地などで運転のしにくさを感じるかもしれない。その点、よりコンパクトSUVらしい車幅感覚でドライブできるのはフロンクスのほうだ。
パワートレインは、前述のとおり、どちらも1.5Lエンジンを搭載するが、スペックなどには違いがある。
どちらも水冷直列4気筒エンジンながら、排気量はWR-Vが1496ccなのに対し、フロンクスはやや少ない1460cc。そのぶん、パワーなどはWR-Vのほうが多少高く、最高出力87kW(118PS)/6600rpm、最大トルク142N・m(14.5kgf・m)/4300rpmを発揮する。一方、フロンクスは、2WD車で最高出力74kW(101PS)/6000rpm、最大トルク135N・m(13.8kgf・m)/4400rpm、4WD車は最高出力73kW(99PS)/6000rpm、最大トルク134N・m(13.7kgf・m)/4400rpmだ。
ただし、フロンクスは、発進時や加速時にエンジンの動力を電動モーターがアシストするマイルドハイブリッドシステムを採用している。電動モーターのスペックは、最高出力2.3kW(3.1PS)/800~1500rpm、最大トルク60N・m(6.1kgf・m)/100rpmだ。フロンクスには、こうした電動モーターのアシスト機能があるためか、両モデルを実際に乗り比べた感じでは、エンジンのスペック的な差はさほど感じられず、加速感などはほぼ互角だと思えた。
トランスミッションの差が乗り味を変える
ただし、採用するトランスミッションにより、両モデルの乗り味には違いも感じられた。WR-VがCVT(無段変速オートマチック)なのに対し、フロンクスはスポーツカーなどにも採用される有段ギア仕様の6速ATだからだ。とくに、フロンクスでは、パドルシフトを使いマニュアル操作をする際、ATらしい変速ショックをやや感じるが、それが逆にリニアな印象を受け、自分でクルマを操っている感覚を味わえた。
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