「フロンクス」対「WR-V」インド生産SUV徹底比較 手頃な価格設定と扱いやすいサイズ感が魅力的
東洋経済オンライン / 2024年11月9日 9時20分
WR-Vにもパドルシフトが設定されているが、CVTなので、AT車のフィールとは少し異なる。減速度がスムーズすぎるとでもいうのだろうか、やや味気ない感じなのだ。このあたりは、ちょっとマニアックかもしれないが、スポーツモデルなどが好きなユーザーにとって、より走りが楽しそうなのはフロンクスのほうではないかと感じた。
フロンクスでは、ほかにも、WR-Vに設定のない4WD車もあり、路面状況に応じて選択できる走行モードも用意する。雪道での発進などに対応する「スノーモード」、滑りやすい路面でのスリップを防止する「グリップコントロール」、急な下り坂で加速を抑制する「ヒルディセントコントロール」といった3モードを採用。より幅広い走行シーンで高い安心感を提供する点でも、フロンクスのほうが上だといえる。
ちなみに燃費性能では、WR-VがWLTCモード値16.2~16.4km/L。一方のフロンクスはWLTCモード値17.8~19.0km/L。マイルドハイブリッドの効果もあるのか、燃費的にもフロンクスのほうが、若干ながら良好だといえる。
先進安全装備などの違い
先進安全装備などに関する充実度でも、フロンクスはWR-Vを上まわる。WR-Vにない「全車速対応ACC(アダプティブ・クルーズコントロール)」「電動パーキングブレーキ」「オートブレーキホールド」「ブラインドスポットモニター」なども装備するからだ。
そもそも両モデルは、WR-Vが「ホンダセンシング」、フロンクスは「スズキ セーフティ サポート」と、各メーカーが設定するさまざまな先進安全装備を搭載する。衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い時加速抑制機能、車線逸脱防止支援など、豊富な機能が満載だ。
なかでも、高速道路などで設定速度や車間距離を保ちながら前車を自動で追従するACCは、近年、全車速対応式が一般的。渋滞時に前車が停止した場合、自車も自動で停止する機能を持っているモデルも多い。また、スイッチ操作でパーキングブレーキをオン/オフできる電動パーキングブレーキ、停車時にブレーキペダルを踏み続けなくても停止状態を保持するオートブレーキホールドなども採用例が増えている。さらに、走行時に自車の死角を走る車両の存在をドアミラーの点灯で知らせるブラインドスポットモニターも、今では軽自動車にでさえ搭載されている機能だ。
ところがWR-Vには、これら機能がない。これは全グレードの価格を250万円に抑えるため、搭載機能を制限したためであろう。一方、フロンクスは、これら機能をすべて完備する。加えて、駐車時に自車を空から見たような映像などをセンターモニターへ映し出せる「全方位モニター」、速度や燃費などの運転に役立つ情報を運転席の前方へ映し出す「ヘッドアップディスプレイ」なども標準装備する。いずれも、WR-Vには備わっていない機能ばかりだ。これらにより、より高い次元の運転支援機能を有するのはフロンクスと言えそうだ。
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